2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの代替材料としてのモルタルの構造躯体利用に関する研究
Project/Area Number |
15560508
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
寺西 浩司 名城大学, 理工学部, 助教授 (30340293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 恭雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (70023182)
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Keywords | モルタル / コンクリート / 粒度 / 実績率 / 骨材体積比 / レオロジー / 流動性 / 分離抵抗性 |
Research Abstract |
1.細骨材の粒度分布と実積率の関係に関する検討 単一粒度の骨材の粒径を変化させた場合、および骨材の粒度幅を変化させた場合の実積率について検討した。その結果によると、単一粒度の場合、骨材粒径に関わらず実積率は一定となる。また、粒度幅を変化させた場合、実積率は、粒度幅(最大粒径/最小粒径)の対数と比例し、粒度幅が広いほど大きくなる。このことから、構造躯体用モルタルにおいて、コンクリートと同量の骨材を混入するためには、細骨材の粒度幅をできるだけ広くすることが重要との見解を得た。 2.モルタルの流動性および分離抵抗性と細骨材の粒度分布の関係に関する検討 (1)JIS粒度の細骨材を用いたモルタルの細骨材体積比を変化させた場合、(2)単一粒度の骨材を用いたモルタルにおいて、骨材粒径および高性能AE減水剤添加量を変化させた場合、(3)モルタル中の骨材の粒度幅を変化させた場合、の3シリーズの実験的検討を行った。そして、これらの実験では、回転翼型粘度計を用いてモルタルの見かけのレオロジー定数を測定し、流動性を評価した。また、円筒貫入試験により分離抵抗性を評価した。 上記の実験により次の知見が得られた。(1)細骨材体積比の増加に伴って、モルタルの流動性が低下し、分離抵抗性が向上する。(2)細骨材の粒径が大きいほど、モルタルの流動性が向上する。(3)骨材の粒度幅が広いほど、モルタルの流動性が向上し、分離抵抗性が低下する。(4)高性能AE減水剤の添加率が高いほど、原則として、モルタルの流動性が向上し、分離抵抗性が低下する。以上のことから、構造躯体用モルタルにおいて、骨材体積比を大きくし、かつ、所要の流動性を確保するためには、まず、骨材の最小粒径と粒度幅を最適にバランスさせ、次に、骨材の粒度分布の詳細を調整し、さらに流動性が不足する場合には、高性能AE減水剤の添加量を増やすという手順を踏むことが重要との見解を得た。
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Research Products
(2 results)