2004 Fiscal Year Annual Research Report
執務空間におけるタスク・アンビエント空調方式の快適性・生産性に関する研究
Project/Area Number |
15560520
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Research Institution | Kanto-Gakuin University |
Principal Investigator |
秋元 孝之 関東学院大学, 工学部, 教授 (30318894)
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Keywords | タスク・アンビエント空調 / 非等温気流 / 被験者実験 / 温冷感 / 作業効率 |
Research Abstract |
居住者の背面方向から自由に給気できるRCUを使用し、居住者の快適性と知的生産性に与える影響を検討することを目的とした検討を行った。その結果、以下の知見を得た。1)RCU使用状況測定結果から、男性は冷たく強い気流を好み、女性は暖かく弱い気流を好む傾向がみられた。2)RCU吹出し口垂直角度状況測定結果から、女性は男性より高い角度に調節する傾向がみられた。3)全身湿度感-湿度快適感では、「どちらでもない-快適」の申告が多くなった。女性においては、PEM、TU条件では「乾いている」側の申告が多いが、RCU+布製椅子条件では「やや湿っている」側の申告がみられた。4)気流感では、男女共にRCU+メッシュ製椅子条件において、「やや感じる」側の申告となり、他の条件は「感じる」側の申告であった。RCUが効果的に寄与した可能性が考えられる。5)気流快適感では、各システム条件との比較においては顕著な差はみられず、「快適」側の申告が多かった。6)気流温度・風量の調節性では、男性において、3DU+条件、PEM条件よりRCU+布製・メッシュ製椅子条件の方が「満足」付近の申告であった。女性においては、顕著な差はみられなかった。7)NASA-TLXでは、各システム条件を比較すると、男女共RCU+布製・メッシュ製椅子条件において、他の条件より申告率の上昇は小さいため、RCUを使用することで若干ではあるが緩和された可能性が考えられる。8)自覚症状しらべでは、椅子の違いによる申告率の差はみられなかった。また、他のシステムとの比較においても顕著な差はみられなかった。9)自覚症しらべでは、各システム条件を比較すると、RCU+布製・メッシュ製椅子条件において、210分後の第V群の訴え率が他の条件に比べ高くなった。10)活力度申告結果では、男女共にpractice条件に比べ、RCU条件の申告率が高くなった。このことより、RCUを使用することによって活力度の低下が緩和された可能性が考えられる。
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