2004 Fiscal Year Annual Research Report
第1印象のなごりを考慮したシークエンス的な景観指標の確立
Project/Area Number |
15560537
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩島 哲 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (70038090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 隆文 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (00232067)
佐藤 誠治 大分大学, 工学部, 教授 (70113412)
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Keywords | 注視実験 / アイ・マーク・レコーダ / モーリス・ユトリロ / 都市風景画 / 景観構成要素 |
Research Abstract |
今年度は、モンマルトルの市街地景観を描いたユトリロの絵画を素材にして、アイマークレ・コーダ実験を行い、以下のような注視行動の特徴を把握した。また、次年度の資料とするために、絵画の視点場の現地調査を行い、ビデオ撮影を行った。 (1)各絵画の景観タイプ、景観の技法、D/Hは、人の注視行動に影響を与えている。また、軸景などの構図では、奥行き方向の景観要素に注視点が集中する傾向が見られた。最も多く注視される構成要素は「建物」であった。 (2)人や街灯、樹木等の添景要素はよく注視される。さらに、看板などの「文字」には注視点が集中しており、景観の中における「文字」の影響が大きいことが明らかになった。 (3)「道路と建物のパースペクティブな景観」では、時間の経過とともに、他の景観要素から「道」を注視するようになる。 「まちの全貌を見渡す景観」では、「建物」、「遠景」の注視点数が他の景観タイプの中で最も多い。時間の経過とともに「建物」「空」の注視が多くなり、「遠景」の注視が増加することから、遠くのまちなみに視線が移動していることが分かった。 「シンボリックな建物の景観」では、「緑」を最も多く注視している。他のタイプと異なり、「空」の注視点数が時間の経過とともに減少傾向を見せている。 (4)D/Hが小さいグループに比べて大きいグループの景観の構図が、「建物」を注視される割合は少なく、「建物」以外の構成要素を注視される割合が大きくなっており、それは時間の経過とともに増加していく傾向が見られた。「近景」、「中景」を注視する割合は、D/Hが大きいグループの方が高い。このことより、D/Hが大きいほど遠くが注視されていることがわかった。
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Research Products
(2 results)