2003 Fiscal Year Annual Research Report
分解・再築容易な構法特性と市場成立条件を併有する鋼構造建築リユースシステムの構築
Project/Area Number |
15560541
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
角田 誠 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (10180035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
見波 進 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (00219693)
名取 発 東京理科大学, 工学部, 助手 (90328576)
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Keywords | 鋼構造建築 / リユース / 分解容易性 / 再築 / 市場流通 |
Research Abstract |
■本年度の研究範囲 本研究の目的は以下の2点であった。 (1)リユースシステムに必要な建築的構成方法の把握 鋼構造建築システムを対象に、躯体の接合方法や各部分の構成方法などについて図面収集・ヒアリング調査から実態把握を行い、解体・分解容易性、移設・再築性についての評価を試みる。 (2)リユース材の流通性・市場性の把握 上記対象システムのリユース材の回収方法、他用途建築物への適用性などについて実態把握と問題点の明確化を行い、リユースシステムの運用に必要な要素を整理する。 なお、本年度は、各種構成材のリユースの可能性の分析対象として最適であると思われる「システム建築」を取り上げた。 ■研究方法と成果 まずシステム建築の各接合部の接合方法を分析するため、システム建築の技術資料等を入手した(国内8社、米国2社)。さらに、ほぼ全社の担当者に詳細なヒアリング調査を行った。代表的な接合部として柱×梁、柱脚、及び屋根・外壁・床と構造材の接合部、の5部位を取り上げ、その接合パターンを整理した。結果として、接合部を構成する材数によって24パターンに分類する事ができた。 次に、各接合部のリユース性の評価を行った。評価項目は、分解の可否、変形・破壊の有無の絶対条件と、分離の程度などのリユースの程度を評価する項目に大別できる。これらより、リユース可能な構成材の程度、及び転用の程度等の評価基準を、リユースレベルとして提案した。 以上を基に、収集した実例を参考にリユース建築構法モデルの検討を行った。その結果、ボルト接合のみ扱う事で完全分離を実現するものや、異なる接合部に同様の部品を用いて互換性を高めるものなど、いくつかの可能性を示すことができた。 また、リユース材の流通性・市場性については、各社へのヒアリング調査とその分析から、リユース事業におけるコストメリットの確保、及び中古品に対するユーザーの意識改革が必要であるとの見解を得た。
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Research Products
(1 results)