2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウォートルス三兄弟の研究:ニュージーランドと米国コロラド州における活動を中心に
Project/Area Number |
15560555
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 照信 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80159128)
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Keywords | ウォートルス兄弟 / トーマス・ウォートルス / 日本近代建築史 / 明治建築 / お雇い外国人 / 冒険技術者 / アイルランド人技師 / 鉱山技師 |
Research Abstract |
明治初期にお雇い外国人として活躍したアイルランド人技師のウォートルス三兄弟:トーマス・J・ウォートルス(Thomas James Waters,1842-1898)、ジョン・A・R・ウォートルス(John A.R.Waters,1846-1902)、J・H・アーネスト・ウォートルス(J.H.Ernest Waters,1851-1893)の冒険技術者としての活動の全容を明らかにするため、以下の研究活動を行った。 1.米国コロラド州における調査(平成16年6月) コロラド公文書館、デンヴァー公立図書館、コロラド歴史協会図書室(以上デンヴァー)において資料を収集した。 コロラド鉱山学校アーサー・レイクス図書館(同州ゴールデン)において資料を収集した。 フォートルイス大学サウスウェスト・リサーチ図書館(同州デュランゴ)において資料を収集した。 ウォートルス兄弟が経営に関与したスマグラー鉱山、ユニオン鉱山、シェリダン鉱山、メンドタ鉱山、トムボイ鉱山、ベルモント鉱山等の坑口跡、兄弟が建設したシェリダン・クロスカットの跡地(以上同州サンミゲル郡)を見学した。 2.19世紀後半に発行された地方新聞の調査(通年) ニュージーランド、米国コロラド州、ミズーリ州で19世紀後半に発行された地方紙の記事の検索をインターネットを通して行った。 3.総括 収集した資料により、ウォートルス三兄弟の離日後の活動を明らかにし、彼らがニュージーランドと米国コロラド州の各地でも有能な技術者として一時はリーダー的存在であったことを明らかにした。 従来の各地の歴史研究では、一所に長く留まらなかった彼ら冒険技術者たちは、正体不明で行方不明の人物として正当に評価されることがなかった。本研究は複数の国と地域にまたがった彼らの活動を明らかにすることで、彼らを近代技術史上に位置付けることを試みている。
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