2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560556
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
吉田 鋼市 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60111704)
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Keywords | 建築史・意匠 / アール・デコ / 近代建築 / ラテンアメリカ |
Research Abstract |
1.平成17年度は、ラテンアメリカの建築文化の影響下に独自のアール・デコの街並みを形成したマイアミの現地調査を行った。 2.マイアミ・ビーチの南北に通る大通りOcean Driveの5^<th> streetから15^<th> streetの間にはアール・デコのホテル・住宅・店舗が集中的に現存しており、国の保護対象となっている。マイアミ・ビーチにアール・デコのスタイルが採用されたのは、この地区で1930年代に盛んな建設活動が行われたためであるが、アール・デコの大衆性・享楽性とリゾート地区の性格とがぴったり一致したためであろう。特段のデザイン規制とかの存在なしに一地区の建物のスタイルが統一されたことは驚くべきことである。アール・デコの国際的な波及力を痛感させられた。 3.ラテンアメリカのアール・デコはこの地における建築の近代化運動の一端として現れたように見受けられる。したがってアール・デコの装飾性よりも鉄筋コンクリート造によるシンプルな表現が主眼であった。現にラテンアメリカ諸国のアール・デコはどちらかというとシンプルなものが多い。これはアール・デコの多様な側面を示すものであろう。 4.成果の一部は平成17年2月に刊行した拙著で発表しているが、現在平成15年度からの3年間の調査と考察の成果をとりまとめ中である。
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