2005 Fiscal Year Annual Research Report
カトマンズ盆地におけるヒンドゥー教層塔の系譜の研究
Project/Area Number |
15560562
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Research Institution | NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
渡辺 勝彦 日本工業大学, 工学部, 教授 (50049706)
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Keywords | カトマンズ盆地 / 層塔 / ヒンドゥー教 |
Research Abstract |
平成17年度は、カトマンズ盆地のヒンドゥー教層塔について既に現地調査で相当数のヒンドゥー教層塔を撮影しているので、これを主に昨年度までに収集、デジタル化した資料以外のものを対象に、デジタル化して整理した。集めたカトマンズ盆地のヒンドゥー教層塔の図面と写真のうち、ティミ、キルティプルなど、カトマンズ、パタン、バクタプルの三都以外の地のものである。整理作業の内容は、写真のうち35ミリ・フィルムの多くは、原版の遺失を避けて数回に分けて補助者とともに区分けしてフィルム・スキャンを外注し、画像データとしてデジタル化した。さらに、それらをハードディスクにいったん集積し、事例ごとに整理した。35ミリの一部とブローニー・サイズのものは、補助者によって画像ソフトPHOTO SHOPで読み込んでデジタル画像化し、ファイルに加えている。また、ブローニーサイズの一部はスキャニングの質を考慮して、また4×5サイズのポジは適切なスキャナーを求めて外注した。これらについても、ファイルに入れた。撮影したビデオ・フィルムについても、ハードディスクに保存する作業を終えることができた。既に失われた建築については、蓄積した図面・写真は歴史上の資料になりつつある。収集した資料写真の乾板・ネガ、ビデオ撮影した記録がデジタル化できたことは、近い将来の保存修復に有用となる。 この研究では、ヒンドゥー教寺院の層塔に対象を限定して、その形態を集成して分析し、類型を求める。その際、形態の特徴を外観と木彫の装飾の両面から正確に捉えれば、他地域の層塔との比較に供しうる。今年度は、特徴ある神像を付ける方杖の神格を同定し始め、宗派との関連を考察を進めた。今後、碑文等の資料を併せ、さらに所在の知られる古写真を併せて既に失われた層塔を補って、歴史的な変遷を明らかにする。
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