2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミスフィット型層状硫化物を用いた次世代ペルチェ材料の開発
Project/Area Number |
15560582
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 譲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40261606)
|
Keywords | 熱電変換 / ペルチェ材料 / ミスフィット / 硫化物 / 複合結晶 / 熱電能 / 熱電特性 / 結晶構造 |
Research Abstract |
今年度はチタン硫化物を伝導面とするn型ミスフィット型層状化合物の合成を試みた。岩塩型絶縁層にはスズ硫化物を選び、石英管封入法により合成を試みたところ、焼成温度630℃において目的とするミスフィット型層状硫化物単相試料が合成された。X線回折による構造解析を行ったところ、ミスフィットパラメータ(a軸長比)は1.20であることが確認された。またこの化合物は、第1部分構造(チタン硫化物層)が面心三斜晶、第2部分構造(スズ硫化物層)が底心三斜晶の組み合わせからなる超空間群対称性を持つことが明らかになった。続いて、この試料の抵抗率および熱電能の温度変化を測定し、出力因子を評価した。抵抗率および熱電能とも金属的な温度変化を示し、室温近傍においては、昨年度合成されたp型イッテルビウムーニオブ硫化物(65μV/K)より大きな負の熱電能(-80μV/K)を示すことが明らかになった。この試料の抵抗率は同ニオブ系試料と同程度であり、計算された出力因子はニオブ系の2倍の4.2x10^<-4>W/mK^2程度の大きさであった。仮に熱伝導率がニオブ系試料と同程度の0.8W/mKとすると、無次元熱電性能指数は0.16に達する。 チタンースズ硫化物系には、チタン硫化物伝導層が2層連結したミスフィット型化合物も存在することが知られている。本研究でも焼成温度や硫黄圧力等を変化させて合成を試みたが、これまでのところ単相試料を得るには至っていない。
|
Research Products
(5 results)