2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ制御粒界相を有する高温高硬度材料の作製及び産業分野への応用のための基礎的研究
Project/Area Number |
15560588
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松下 純一 東海大学, 工学部, 教授 (50281746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新原 晧一 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, センター長・教授 (40005939)
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Keywords | ホウ化ケイ素 / ナノコンポジット / ホウ化物 / 高温材料 / 硬度 / 粒界 / 焼結 / 焼結体 |
Research Abstract |
1000℃以上で、硬度の低下が認められないあるいは低下が少ない優れた硬質セラミック材料の開発をめざし昨年度に引き続き研究を行った。すなわち、ナノメートルオーダーで粒界相を最適に制御したホウ化物系コンポジットの作製をホットプレス法にて行い、得られた材料の産業分野への応用展開に関する研究を目的とした。本年度は、SiB_6の高温特性挙動を比較検討する目的で、CrB_2にCr_3C_2を5%から95%含有となるように添加した出発原料を調製し、得られた所定の割合で配合された粉末試料をホットプレス法にて、所定の焼成温度で、30MPa、真空中で1時間保持し、焼結体試料を得た。その後、得られた焼結体試料をアルキメデス法により密度測定を行った。試料の高温硬度特性を調べるために、高温硬度顕微鏡を用いた。試料の成分同定はX線回折法により測定した。試料表面の状態は、走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った。さらに、試料の酸化特性を調べるために酸化実験を行った。その結果、CrB_2-Cr_3C_2焼結体試料の高温硬度は、測定温度の上昇に伴って、硬度が減少する傾向を認めた。これは、硬度測定温度の上昇に伴って、結晶内部で熱振動が起こり、粒界相を含めた粒子同士の結合力が下がる傾向があるためであると考える。室温では、CrB_2にCr_3C_2を10%、800℃では50%添加した試料が最も高い硬度を示した。CrB_2にCr_3C_2を30%および50%を添加した焼結体試料は800℃の高温下でも10GPaを超える高い値を示し、高温特性に優れていることが明らかになった。CrB_2-Cr_3C_2焼結試料のX線回折分析の結果、純粋なCrB_2およびCr_3C_2の焼結体は、それぞれ単体焼結体であることが分かった。CrB_2にCr_3C_2を添加した焼結体試料では、CrB_2とCr_3C_2の反応が認められ、30%、50%および70%添加の試料では、Cr_7C_3と考えられる回折ピークを多く認められた。
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