2003 Fiscal Year Annual Research Report
酸化セリウム系固溶体のナノレベル欠陥構造と組成の関係
Project/Area Number |
15560589
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊熊 泰郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (10159593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 恵理子 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (50291753)
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Keywords | 酸化セリウム / 固溶体 / ラマン分光 / 酸化ネオジム / 酸化ガドリニウム / 酸化イットリウム / 蛍石型構造 / 希土類C型構造 |
Research Abstract |
硝酸セリウム、硝酸ネオジムなどの混合水溶液から共沈法により各種濃度のNdO_<1.5>添加CeO_2、GdO_<1.5>添加CeO_2、YO_<1.5>添加CeO_2の粉末試料を作製し、900〜1400℃の温度で焼成した。これらの試料をX線回折、ラマン分光で評価した。X線回折結果からNdO_<1.5>,GdO_<1.5>,YO_<1.5>を0〜約40%添加したCeO_2は蛍石型構造で、45〜75%NdO_<1.5>,40〜100%GdO_<1.5>,50〜100%YO_<1.5>添加CeO_2は希土類C型構造であり、3つの添加物を含むCeO_2の結晶構造は幅広い濃度領域で同じであった。しかし、ラマン分光ではこれらの試料間に差が見られた。Nd-CeO_2ではCeとOの結合に由来するラマンバンドに変化がなく、この結合がNd添加によって影響を受けていないことが分かった。Gd-CeO_2では30mol%GdO_<1.5>と40mol%GdO_<1.5>の間でCeとOの結合に由来するラマンバンドが急に変化したが、それ以外の濃度では変化しない。一方、Y-CeO_2では30〜80mol%YO_<1.5>の間でCeとOの結合に由来するラマンバンドは少しずつ変化した。すなわち、Nd,Gd,Y添加によって結晶構造は同じように変化するが、CeとOの結合に与える影響は違うことが明らかとなった。TEM観察や長時間加熱による影響については目下検討中である。さらに、CeO_2薄膜の作製も行った。フロー式反応装置に電極を導入し、均一沈殿法による反応をZrO_2基板上で行い、CeO_2薄膜を作製することに成功し、その作製条件についても検討した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Ikuma: "X-ray study of cerium oxide doped with gadolinium oxide fired at low temperatures"Mater.Sci.Engineer.B. 99[1-3]. 48-51 (2003)
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[Publications] M.Kamiya: "Hydroxyapatite formation reaction between calcium carbonate and diammonium hydrogenphosphate"Trans.Mater.Res.Soc.Japan. 28[2]. 317-320 (2003)
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[Publications] Y.Ikuma: "Non stoichiometry and diffusion in ceria and ceria solid solutions"Key.Engineer.Mat.. 253. 225-242 (2003)
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[Publications] Y.Ikuma: "Diffusion coefficients in cerium oxide solid solution"Proc.UNITECR 2003 Congress. 73-76 (2003)
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[Publications] H.Bessho: "Photocatalytic activity of TiO_2-SnO_2 system"Trans.Mater.Res.Soc.Japan. 28[4]. 1223-1226 (2003)