2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化セリウム系固溶体のナノレベル欠陥構造と組成の関係
Project/Area Number |
15560589
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊熊 泰郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (10159593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 恵理子 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (50291753)
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Keywords | 酸化セリウム / 固溶体 / ラマン分光 / X線回折 / 酸化ガドリニウム / 酸化イットリウム / 蛍石型構造 / 希土類C型構造 |
Research Abstract |
20%および60%ガドリニウム添加酸化セリウム、60%イットリウム添加酸化セリウムを1400℃あるいは900℃で長期間(1〜48週間)加熱した試料を作製し、X線回折、Raman分光、電子顕微鏡で評価した。60%イットリウム添加酸化セリウムを1400℃で長期間加熱したものではRaman分光結果でなく、X線回折結果に変化が見出された。すなわち、4週間ぐらいから蛍石型構造の(200)面のX線回折ピークが3つに分かれはじめ、48週間加熱まで少しずつ大きくなった。これは、イットリウム固溶酸化セリウム(蛍石型構造)が、イットリウムを多量に固溶した希土類C型構造とイットリウムが少ない蛍石型構造に相分離する変化に対応したものであった。しかし、20%および60%ガドリニウム添加酸化セリウムを1400℃や900℃で長期間加熱したもの、60%イットリウム添加酸化セリウムを900℃で長期間加熱したものでは加熱時間が経過してもX線回折の結果などに変化は見られず、長期間安定していた。これらおよび過去の結果を総合すると、蛍石型構造の酸化セリウムを長期間使用する場合、イットリウムよりガドリニウムあるいはネオジムを添加する方が安定であることが明らかになった。また、このような加熱変化は酸化ケイ素の存在が関係していると予想された。 酸化セリウムあるいはネオジム添加酸化セリウムの薄膜を作製するため、これらを約160℃の温度で水熱処理する実験を行った。実験条件を最適化した結果、X線回折や目視によって確認できる程度の薄膜をガラス基板上に付着させることに成功した。これは以前、均一沈殿法で作製した薄膜より厚いものであった。
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Research Products
(5 results)