2003 Fiscal Year Annual Research Report
物質移動の自由エネルギー理論による環境浄化用セラミックス多孔体の製造
Project/Area Number |
15560592
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田中 英彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, アソシエートディレクター (40343868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 聡之 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主幹研究員 (50354428)
広崎 尚登 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (80343838)
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Keywords | 表面エネルギー / 粒界エネルギー / 過剰自由エネルギー / 物質の速度式 / 粒子の変形 / 粒成長 / 金属ホウ化物 |
Research Abstract |
物質移動の自由エネルギー理論とSiC多孔質焼結体の関して以下の3項の研究実績をあげた。 1.焼結の駆動力は過剰な表面エネルギーと粒界エネルギーである。 非酸化物粉末の焼結では、表面と粒界エネルギーの効果が重要である。粒界エネルギーが小さいと、焼結に際して、表面エネルギーが粒界の形成で緩和され、焼結が可能となる。このとき表面と粒界の自由エネルギーが減少する。粉末が平衡になく過剰な表面エネルギーを持つとき、焼結して平衡状態に向かい自由エネルギーが減少する。言い換えると、系の過剰な表面エネルギーと粒界エネルギーが焼結に関する物質移動を駆動していることを明らかにした。 2.固体の拡散は系の過剰自由エネルギーに律則される確率過程である。 以上の知見に基づいて、本研究ではまず、一般に反応過程は系の過剰な自由エネルギーによって駆動されると仮定した。そこで、反応速度は原子のジャンプ頻度と過剰自由エネルギーに律則される確率過程に比例するとして、反応過程の一般式を仮定した。この式を固体の拡散に拡張すると、拡散による物質移動は、拡散係数と、拡散面積割る拡散距離、および過剰エネルギーの確率式に比例することがわかった。次年度はこの理論を焼結と粒変形に応用して速度論に発展させる。 3.SiC多孔質焼結体の製造するために、焼結助剤の効果を予備的に検討した。その結果、AlB_2単身および低融点をもつ金属ホウ化物を添加するとSiC粒成長が促進され、多孔体になることがわかった。これらの添加物効果について、今後詳細に検討を進める。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hidehiko Tanaka, Naoto Hirosaki, Toshiyuki Nishimura: "Nonequiaxial grain growth and polytype transformation of sintered α-silicon carbide"Journal of the American Ceramic Society. 86[12]. 2222-2224 (2003)
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[Publications] Hidehiko Tanaka, Naoto Hirosaki, Toshiyuki Nishimura: "Sintering silicon carbide powder containing metal boride"Journal Ceramic Society of Japan. 111[12]. 878-882 (2003)