2004 Fiscal Year Annual Research Report
水系電気泳動プロセスによる粒子堆積挙動の解明とセラミックス高次構造体の評価
Project/Area Number |
15560593
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (90354216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (50267407)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, ディレクター (00354217)
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Keywords | 電気泳動堆積法 / 水系溶媒 / アルミナ / ジルコニア / 積層コンポジット |
Research Abstract |
前年度の研究では、水系溶媒を用いたセラミックス粒子の電気泳動堆積(BPD)プロセスにおける粒子堆積挙動に及ぼすサスペンションの調製条件、印加電圧、電流密度などの因子について系統的な検討を行なった。本年度は、同一のpHに調整した3Y-TZおよびAl203水系サスペンションを用い、電気泳動法による同一電極基板上への交互積層操作を繰り返すことにより、層厚の制御された3Y-TZ/Al203系積層コンポジットを作製するための諸条件について検討した。その結果、定電圧モードより定電流モードの方が時間に対する堆積量の関係の直線性が良く、通電時間の調節による層厚の制御が容易であることが明らかとなった。一般に、ビーカーなど容積の限られた容器中でのEPDでは、電極基板への粒子堆積によるサスペンション固相濃度の低下により、単位時間当たりの粒子泳動量は徐々に減少する。しかし、定電流モードでは粒子の堆積に伴い回路のIR降下が大きくなりガルバノスタットの出力電圧が徐々に上昇するため、結果として粒子のモビリティが増大して単位時間当たりの粒子泳動量はほぼ一定に保たれ、見かけ上の堆積速度に大きな変化が見られなかったものと考えられる。また、定電流モードで電圧を徐々に増加させながらEPDを行うと比較的反りの少ない膜が得られることも確認された。そこで、電流一定モードでEPDを行うことにより、層厚が制御された種々の3Y-TZ/Al203系積層コンポジットを作製することに成功した。しかし、水系EPD法で作製した試料(焼成体)の曲げ強度および靱性は、現在のところ当初の予想ほど高い値が得られていない。この点については、水の電気分解によるミクロ気泡の発生による内部欠陥の可能性もあり、EPD条件の再検討を行なっている。電気的特性についても、現在測定中である
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