2004 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼合成を利用した金属間化合物繊維強化複合材料の創製と傾斜およびスマート材料化
Project/Area Number |
15560596
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 義見 信州大学, 繊維学部, 助教授 (50231014)
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Keywords | 繊維強化複合材料 / 金属間化合物 / 繊維 / 燃焼合成反応 / 傾斜機能材料 / ニッケルアルミナイド / 硬さ / Cu-Al |
Research Abstract |
金属間化合物繊維強化複合材料の新規作製方法として,研究代表者らは細孔反応法(reaction at narrow holes method)を提案している.この手法の概要は以下である.金属母相A中に細孔をあけ,母相と比較して融点の低い金属繊維Bを挿入する.この状態で,金属繊維Bの融点以上へ急速加熱を行い,金属母相Aと溶融金属Bとを反応させる.これにより,試料中ではmA+nB→A_mB_nの反応が生じる.反応中,繊維形状を保ったまま金属間化合物A_mB_nが形成するため,金属間化合物繊維強化複合材料の製造が可能となる. 本実験では,Ni-AlおよびCu-Alの各材料の組み合わせについて細孔反応法を適用した.そして,加熱温度および加熱保持時間を変化させ,金属間化合物の形成形態を観察した.今回の実験により,以下の結論を得ることができた. (1)金属母材にあけた細孔に金属繊維を挿入した状態で反応を生じさせることにより金属母材中に繊維形状の金属間化合物を作製できることが確認できた. (2)Ni-Al系においては1000℃を超える温度でなければAl繊維とNi母材部分との境界面において拡散接合反応が見られないことがわかった.Al繊維をさらに細くすることでNiリッチの金属間化合物を形成させることが可能である. (3)Cu-Al系においては700℃〜750℃の加熱温度がγ1相を形成させるのに最も適した温度であることがわかった.650℃においても濡れ性を高めることで700℃や750℃で作製した試料と同様の試料を作製することが可能である. (4)硬さ試験結果より,母材から繊維中心部に向かって形成された各相に対応して硬さは変化しており,これを利用することで傾斜機能材料として使用することも期待できる.
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[Book] ファイバー工学2005
Author(s)
渡辺義見
Total Pages
192-200
Publisher
丸善
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より