2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560609
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木谷 晧 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70034395)
|
Keywords | 導電性高分子 / エネルギー材料 / 燃料電池用電極触媒 / 耐放射線材料 / 可視光作動光触媒 / 腐食防止 |
Research Abstract |
本研究においては、導電性高分子のエネルギー関連材料への応用を目的として、下記の三項目について、平成15,16,17年度の3年間にわたって研究を行う。16年度は全ての項目について検討を行ない、以下の研究成果が得られた。 1.燃料電池電極触媒への応用 高性能な燃料電池の開発を目的として、酸素還元反応に対する金属修飾ポリアニリン電極の触媒効果について検討した。白金修飾ポリアニリン電極の酸素還元の触媒活性は、白金担持炭素電極と比較して、3倍程度向上した。白金使用量の低減を目的として、ポリアニリン上に鉄と白金を電析させた複合電極の活性についても検討した結果、白金の約75%を鉄で置き換えても白金のみの場合と同じ活性を示し、カソードでの白金使用量の大幅な低減の可能性が示された。 2.耐放射線材料への応用 導電性高分子の耐放射線材料としての機能評価を目的として、ガンマ線を照射した場合の分子量の変化について予備的検討を行なった。導電性高分子として電解重合ポリアニリンを用いた場合、高い線量のガンマ線の照射により、それ程顕著ではないが分子量の低下が認められ、ポリアニリンの耐放射線材料としての有用性が示唆された。 3.可視光で作動する光触媒への応用 半導体高分子を光触媒とする高効率な二酸化炭素の固定化反応の開発を目的として、フェノール存在下でのサリチル酸の生成反応について検討した。ポリメチルチオフェン粉末を光触媒として用いると、反応の初期にはある程度のサリチル酸が生成したが、反応の進行と共に生成量は著しく減少し、目的化合物は高い効率では得られなかった。 本項目は期待した成果が得られなかったため、エネルギー関連材料としての応用の新分野として、省エネルギーに大きく貢献する腐食防止機能についても予備的検討を行ない、防食性に優れた高分子膜の分子設計を行った。
|