2004 Fiscal Year Annual Research Report
交流磁場による生体内の局所加熱を目的としたフェライト微粒子の合成とその性質
Project/Area Number |
15560610
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
青野 宏通 愛媛大学, 工学部, 助教授 (00184052)
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Keywords | マグネシウムフェライト / 交流磁場 / 癌治療 / 局所加熱 / ヒステレシス損 / 微粒子 / 共沈法 / Mg_<1-x>Ca_xFe_O_4 |
Research Abstract |
研究代表者らはこれまでに、MgFe_2O_4が交流磁場下において、他のフェライトと比べて著しく高い温度上昇を示すことを発見した。平成15年度では、これまでMgFe_2O_4が他のフェライトよりも発熱する理由が明らかではなかったが、高い磁場下において、ヒステレシス損が最も大きく、これによりフェライトの発熱が起こることが確認された。引き続き平成16年度では微粒子材料のキャラクタリゼーションを行なうとともに、新しいフェライト微粒子の作製と、得られた粉末材料の基礎的物性・磁気的性質・加温特性・表面構造などを明らかにした。特に共沈法を用いて様々な粒径のフェライト粉末を作製し、その磁気的性質及び発熱特性などを検討した。そして、微粒子化の方法として、化学的な共沈法について検討を行った。、その結果、その粒子径による磁場中の発熱特性へ与える影響が著しく、その作製条件を選択する必要があることがわかった。この発熱特性は、フェライトの種類によってもかなり異なっており、FeFe_2O_4は粒子径が数十ナノでも発熱するが、Mgフェライトでは粒子径がきわめて小さいものについてはほとんど発熱しなかった。さらに、このMgフェライトにイオン半径の大きいCa^<2+>を置換したMg_<1-x>Ca_xFe_2O_4系について検討を行ない、Mgフェライトよりさらに発熱特性の高い材料であることを発見した。この材料は癌治療に用いる発熱材料として期待でき、この発熱機構はさらに検討する必要があるが、微粒子化とCa置換による相転移温度が関係していると考えられる。
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