2004 Fiscal Year Annual Research Report
医療用放射性同位元素のプラズマ化による定着と動態解析
Project/Area Number |
15560614
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊達 広行 北海道大学, 医学部, 教授 (10197600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下妻 光夫 北海道大学, 医学部, 教授 (70041960)
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Keywords | 放射線粒子コード / 電子衝突断面積 / 放射線誘起表面活性 / プラズマCVD / TiO_2膜 / セラミクス構造 / TiO_2膜 / ポリマー構造 / トライオード電極 / 固体放射線検出器 |
Research Abstract |
本研究は、気体プラズマに放射性同位元素(RI)を混入した場合や、外部から高エネルギー放射線粒子(β、γ線)が入射した場合のプラズマ状態と電極・成膜壁の表面状態の変化に関し、実験と計算機シミュレーションの両者による解析を目的として開始された。成果の応用例としては、(1)医療用放射線同位元素を含むガスの排気処理におけるプラズマ定着、(2)プラズマCVD法等によってなされる固体表面堆積膜の放射線検出器への応用、が挙げられる。 実験とシミュレーション解析における焦点は、(1)RIプラズマ生成を目的とするチャンバの作成とプラズマ観測、(2)トライオード電極を利用したプラズマCVD法による堆積膜の物性評価、(3)プラズマ中の電子と放射線粒子の挙動解析、(4)プラズマCVD法などによる絶縁基板上堆積膜のシミュレーション評価、であったが、(1)におけるRIプラズマの実験は、チャンバが完成しながらも放射線防護・遮蔽設備とRI試料の準備が遅れ、観測に至っていない。しかしながら、既存のチャンバにて行ったダイオードを用いたバイアス電極による堆積膜や、固体表面への放射線照射実験にて興味深い結果が得られ、それらに対応したシミュレーションへ重点が移行した。また、RIプラズマでの解析に用いる弱電離プラズマ電子のモンテカルロシミュレーション用データを整備し、高エネルギー光子・電子が入射した場合の解析に応えることのできるコードを独自に開発した。以下に、具体的な項目と得られた成果を列挙する。 1.セラミクスやプラスチックの絶縁基板上にプラズマCVDによってTiO_2薄膜を堆積したものが、放射線照射によって導電性を帯びる現象が確認されると共に、放射線検出器として良好な特性を示すことが明らかとなった。 2.放射線粒子の汎用シミュレーションコード(EGS4)により、上記の基板と薄膜の層構造における光子と電子のエネルギー付与を計算した。また固体のバンド構造を含めた検討から、薄膜の導電性機構に関するモデルを提案した。 3.プラズマ実験で実際に使用する予定のXeガス、ならびに空中の水分や生体等価組織を念頭においた水分子の電子衝突断面積のセットを完成し、1eV〜10keV程度のエネルギー範囲における電子線シミュレーションを可能とするモンテカルロコードを独自に開発した。
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Research Products
(6 results)