2003 Fiscal Year Annual Research Report
メタノール燃料電池車の燃料タンクに利用可能な新しい高耐食性表面処理鋼板の開発
Project/Area Number |
15560618
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40111257)
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Keywords | 有機溶媒 / 環境因子 / メタノール / 燃料電池 / 燃料タンク / Sn-Znめっき鋼板 / 耐食性 / 電流-電位曲線測定 |
Research Abstract |
目的:化石燃料の代替エネルギーの一つとして,メタノールを用いたシステムが挙げられている.メタノールは強いプロトン性の極性溶媒であるため,従来からのガソリンタンク用のPb-Sn合金めっき鋼板は激しく腐食され実用に耐えない.これに替わる材料として,Sn-Zn系合金めっき鋼板が有望視されているが,耐食性に及ぼす材料因子,環境因子の影響についてはまだよく分かっていない.本研究の目的は,Sn-Zn系合金めっき鋼板のメタノール環境中での耐食性に影響を与える環境因子,金属組織・組成の材料因子と耐食性の関係の検討し,新しい高耐食性表面処理鋼板の開発することとする. 方法:Sn-Zn系合金めっき鋼板の耐食性を検討するために,水や各種不純物を添加した溶液を作製し浸漬腐食試験を行う.溶液紺成は水分濃度を0-30%としこの溶液に合成過程で混入する可能性のある酢酸,ギ酸,使用環境中から混入する可能性の高いNaClを添加したメタノール溶液を用いる.また,非水溶液系の測定に適したAg/Ag^+照合電極を用いた電流-電位曲線測定を行う. 実験結果:H_2O, NaClおよびHCOOHを添加したメタノール中でのSn-8%Zn合金めっき鋼板の腐食機構について検討した結果,以下のことが分かった. 1.0.1-30%H_2O-メタノールもしくは0.1-30%H_2O-0.1%NaCl-メタノール中では,Sn-8%Zn合金めっき鋼板は優れた耐食性を有する.しかし、0.1-30%H_2O-0.1%HCOOH-メタノール中では,全面腐食の腐食形態を示す. 2.0.1-30%H_2O-0.1%NaCl-メタノール中でのSn-8%Znめっき鋼板の分極曲線の腐食電位はZnの腐食電位にほぼ等しく,孔食電位はSnの孔食電位にほぼ等しい電位を示す.また,Zn相の溶解により腐食が進行する. 3.0.1-30%H_2O-0.1%HCOOH-メタノール中におけるSn-8%Znめっき鋼板の分極曲線はZnに類似している.また,Zn相の溶解により腐食が進行する.
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