2003 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス超耐食バルク合金溶射皮膜の生成とそのナノ組織化した皮膜の特性
Project/Area Number |
15560627
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大坪 文隆 九州工業大学, 工学部, 助手 (10243982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵良 秀則 九州工業大学, 工学部, 助教授 (00127987)
岸武 勝彦 九州工業大学, 工学部, 教授 (40029880)
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Keywords | 非晶質 / 溶射皮膜 / 高速フレーム溶射 / プラズマ溶射 / 耐食性 |
Research Abstract |
Fe-Cr-Mo-(C,B,P)非晶質合金は,非晶質形成能が大きく非晶質化しやすい合金である.Fe-10Cr-10Mo-2C-8P(A合金),Fe-16Cr-30Mo-4C-2B(B合金)およびFe-16Cr-30Mo-2C-1B-7P(C合金)の溶射用合金粉末を作製し,プラズマ溶射(APS)および高速フレーム溶射(HVOF)による大気溶射で皮膜を作製した.ある一定の溶射条件において,HVOF溶射ではすべての合金で完全な非晶質皮膜が得られた.APS溶射ではBおよびC合金で完全な非晶質皮膜が得られ,A合金では結晶質の混在する非晶質皮膜が得られた.皮膜の性状は粉末粒度が小さくなると皮膜が級密になった.HVOF皮膜ではほとんど酸化物が見られないが,APS皮膜では酸化物層が確認された.皮膜の硬さはA合金で800〜900Hv,BおよびC合金で1000〜1200Hvで,APS皮膜の方が硬さは高く,酸化物によるものと考えられる.皮膜の1規定の塩酸水溶液中における陽極分極曲線は,HVOF皮膜ではA合金が最も腐食電位が高いが,A合金の電流密度はBおよびC合金と同程度で耐食性はほとんど同じであると評価される.APS皮膜はHVOF皮膜よりも腐食電位は低く,電流密度は高くなった.特に,A合金は電流密度がHVOF皮膜よりもかなり大きく,耐食性が悪いと評価される.塩酸水溶液中におけるAPS皮膜の浸漬腐食試験では,A合金ではSUS316Lバルク材と同程度の耐食性を示した.一方,BおよびC合金は侵食度はA合金の1/100程度で優れた耐食性を示した.
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