2003 Fiscal Year Annual Research Report
チャンネルフロー電極法と電気化学インピーダンス法による銅の腐食機構の研究
Project/Area Number |
15560630
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
板垣 昌幸 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (90266908)
|
Keywords | 銅 / 塩化物イオン / 硫酸イオン / チャンネルフロー電極法 / アノード溶解反応機構 |
Research Abstract |
中性水溶液(pH5.4〜8)中に含まれる,塩化物イオンおよび硫酸イオンの及ぼす銅のアノード溶解反応への影響を電気化学的に解析した.アノード分極曲線の測定から反応に関するパラメータを決定し,アノード溶解反応機構を提案した.さらに,チャンネルフロー電極法によりアノード溶解で生成した銅イオンの価数を決定した. 淡水中においては,塩化物イオンまたは硫酸イオン濃度に依存して銅のアノード溶解反応は変化した.すなわち、(1)塩化物イオンもしくは硫酸イオンの存在量が微量の濃度範囲,(2)100ppm程度以上の塩化物イオンもしくは硫酸イオンが存在する濃度範囲,である.濃度領範囲(1)におけるアノード分極曲線は各pHに依存していたが,濃度範囲(2)においてはpH依存性が見られなかった.濃度範囲(2)におけるアノード溶解反応機構を次式のように提案した. 塩化物イオン存在下での銅のアノード溶解反応: Cu+Cl^-=CuCl+e^- CuCl+Cl→CuCl_2^- 硫酸イオン存在下での銅のアノード溶解反応: Cu+SO_4^<2->=CuSO_4^-_<ads>+e^- Cu+CuSO_4^-_<ads>+SO_4^<2->→CuSO_4^-_<ads>+Cu(SO_4)_2^<2->+2e^- Cu(SO_4)_2^<2->=Cu^<2+>+2SO_4^<2-> さらに銅のアノード分極曲線対する溶存シリカの影響を検討した.
|