2004 Fiscal Year Annual Research Report
低温プラズマによる高分子薄膜表面のナノサイズ高精度加工法の確立
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15560635
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
山根 大和 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (70332096)
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Keywords | 低温プラズマ / プラズマ加工 / 表面・界面 / 高精度加工 / 高分子薄膜 / プラズマエッチング / ナノサイズ加工 |
Research Abstract |
本研究では、低温プラズマによる高分子薄膜表面形態構造の微細加工制御法を確立することを目的とした。既存のベルジャー型プラズマ装置(薄膜用)に対して、高分子薄膜表面を均質にプラズマ処理が可能となるように試料を円盤上に固定して回転させながらプラズマ処理を行えるように改良した。また、プラズマ処理プロセスにおける制御・再現性を確実にするために、プラズマモニタリングが行えるようにした。 1.平成15年度は、スピンキャスト法で作製した高分子薄膜表面のアルゴン(Ar)プラズマエッチング処理による方法(ボトムダウン)により、高分子薄膜表面形態をナノスケールで制御し、表面化学組成を任意に変化させる方法を検討した。成果として、結晶性高分子PVA薄膜にArプラズマを照射した際、その薄膜表面形態は、プラズマ照射条件のみではなくプラズマ照射前の熱処理に由来する結晶化度、つまり分子鎖の配列、凝集状態により変化することが明らかとなった。高分子の結晶化度の高い場合、プラズマエッチングが開始された初期状態において薄膜表面に全体的に約50nmオーダーの凹凸が形成され、照射時間と共に薄膜表面が滑らかになる。一方、結晶化度の低い場合は照射時間と共に薄膜表面が滑らかになる。結晶性高分子薄膜の場合、プラズマ照射条件、照射前の熱処理に起因する高分子の結晶化度等を制御することで、高分子薄膜の表面形態、表面化学組成を制御することが可能であることが明らかとなった。 2.平成16年度は、基板上に低温プラズマ重合薄膜を形成させる低温プラズマ重合処理(ビルドアップ法)を行い、高分子薄膜表面形態を高精度で微細加工し任意の形態をナノスケールで作製する方法を検討した。ガラス基板上にスピンキャスト法により調製した高分子薄膜表面に、低温プラズマグラフト重合を試みた。基板高分子にポリイミド、グラフト成長させるモノマーに1-ビニルイミダゾールを用いた。
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Research Products
(6 results)