2003 Fiscal Year Annual Research Report
2液相分離による含銅鉄スクラップからの銅と鉄の分離
Project/Area Number |
15560639
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 助教授 (70220259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 滋 岩手大学, 工学部, 助手 (80359497)
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Keywords | 2液相分離 / Cu-Fe-P系 / 鉄スクラップ / 銅リサイクル / 炭素 / 鉛 |
Research Abstract |
Cu-Fe-P3元系融体が,鉄が富化した溶鉄相と銅が富化した溶銅相の2液相に分離する現象を利用し,低品位の含銅スクラップから銅を濃縮することが可能か調べるために基礎的なルツボ実験を行った。実験はCu-Fe-Pを主成分とした合金を溶解し,次の項目について調べた。まず初めに,Cu-Fe-P3元系融体の2液相分離範囲の温度依存性を調べる目的で、1373〜1573Kの温度範囲で2液相分離に及ぼす温度の影響を調べた。次いで,Cu-Fe-P3元系の2液分離範囲を拡大させる第4成分の存在の有無を確認するために,また,スクラップ中に含まれる不純物が2液分離範囲に与える影響を知る目的で,炭素および鉛をCu-Fe-P3元系に添加し,溶鉄相と溶銅相の組成及び相分離性に与える影響を1373Kで調べた。 実験の結果、(1)温度の上昇に伴い、溶鉄相への銅の溶解度ならびに溶銅相への鉄の溶解度は増大し、Cu-Fe-P3元系融体の2液相分離範囲は狭くなる。したがって、本方法を低品位含銅鉄スクラップへ適用する場合、低温で処理を行ったほうが、銅の回収率は高くなる。(2)Cu-Fe-P3元系への炭素の添加は、溶鉄相中の銅の溶解度ならびに溶銅相中の鉄の溶解度を減少させ、2液分離範囲を広げる。一方、鉛の添加は、溶銅相中の鉄の溶解度を減少させるものの溶鉄相中の銅の溶解度を大きくし、Cu-Fe-P3元系に比べ、鉛の添加は銅の回収率を低下させる。ことなどが明らかになった。
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Research Products
(1 results)