2003 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムマンガン複合酸化物微粒子の高速連続合成装置の開発
Project/Area Number |
15560650
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 泉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00217126)
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Keywords | 噴霧熱分解 / 粉粒流動層 / リチウムマンガン複合酸化物 / リチウム二次電池 / 正極材料 |
Research Abstract |
近年、高性能なエネルギー変換・貯蔵デバイスの開発の要求に伴ない、リチウムイオン二次電池電極材料粉体(LiCoO_2、LiMn_2O_4)や固体酸化物燃料電池用電極材料粉体(La_<1-x>Sr_xCo_<1-y>F_yO_3,Ni-YSZ, Ni-GCO等)の高速連続合成装置の開発が求められている。ところで、噴霧熱分解法は、原料を液相で調整するため組成の制御が容易で、溶液の初期濃度を変えることで粒子径の制御も可能であり、比較的粒径分布の揃った球形粒子が得られるため、多元系酸化物微粒子の合成にしばしば用いられている。しかしながら、この方法では微粒子の反応炉内における滞留時間が短いため、しばしばアモルファス状の粉体が得られてしまう。そこで本研究は、組成および粒子径の制御が容易な噴霧熱分解法に流動層を組み合わせることにより、ワンステッププロセスで結晶性の良い多元系酸化物微粒子の高速連続合成を可能にする新規合成装置の開発を目的とする。なお、本年度は、流動層内の媒体粒子の可視化実験とLiMn_2O_4粒子の合成実験について行った。その結果、流動層内の粒子の流動状態は主にガス速度に依存し、最小流動化速度からその2倍程度の速度で操作した場合、気泡の発生の少ないスムーズな粒子の流動状態が観察された。また、最小流動化速度の実測値は既往の結果と良好に一致した。粒子の合成実験については、流動層の可視化実験の結果をもとに静止層高およびガス流量を変化させて行った。その結果、得られたLiMn_2O_4の粒子特性(比表面積、結晶子サイズ)は、前述の操作パラメータにより大きく影響を受けることが明らかとなった。また、XRD回折より合成した粒子は、単一相スピネル構造を有することが分かった。
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