2004 Fiscal Year Annual Research Report
粒子アセンブル技術を利用した固体電解質ナノコンポジット調製方法の開発
Project/Area Number |
15560659
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Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
白川 善幸 同志社大学, 工学部, 助教授 (70262459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 重助 同志社大学, 工学部, 教授 (80104602)
下坂 厚子 同志社大学, 工学部, 実験講師
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Keywords | ナノ粒子集積 / 界面イオン伝達 / MDシミュレーション |
Research Abstract |
電気泳動を用いて昨年度行った300〜500nmのSiO_2微粒子に対する集積実験を,本年度は4〜80nmの粒子に対して同様に行った.アセンブルの条件として,溶媒の種類,粒子濃度,電場の強さ等を変え,集積化した粒子群の規則性ならびに層厚を評価した.評価法は,SEM写真の画像解析を行い,分布関数を用いて集積粒子の規則性を定量的に評価した.使用したナノ粒子の単分散性に問題があり,規則配列の度合いはまだ十分とはいえない結果であったが,充填率はかなり高い値が得られた.また,サブミクロンの粒子と数十もしくは数ナノの粒子の混合粒子についても集積化を行った結果,規則性も増し,乾燥時の亀裂も軽減した.さらに電極の形状による影響も検討した. 続いて気相中で電場を利用した集積化技術として,粉体ジェットを用いた粒子集積についても検討した.その結果,規則配列については十分な結果は得られなかったが,粒子分散領域についてはある程度制御できることが分かった. 次に複合化した粒子を集積して作製したイオン伝導材料の評価法ならびに設計法の確立のため,TiO_2粒子にNaClをコーティングした粒子について,そのイオン伝導度を実験的に測定し,シミュレーションによる評価を行った.NaCl-TiO_2に対し酸化物の体積分率40%近傍でイオン伝導度は極大値を持ち,それ以上酸化物粉体を増やすと伝導度は低下することが分かった.また,分散させた酸化物の粒子径を変化させイオン伝導度を測定した結果,粒子が小さくなるほどイオン伝導度が大きくなること,さらにこれは粒子径の減少によってイオン伝導マトリックスであるNaClと酸化物粒子との異相界面の増加が原因であると考え,分子動力学(MD)シミュレーションを用いて異相界面でどのような構造変化があり,イオン伝導が起こるのかを検討した.その結果,異相界面では,酸化物の格子面の影響を受けNaCl結晶格子数層の構造が乱れ,乱れた格子と乱れのない格子の近傍で電荷担体であるSchottky欠陥の拡散係数が大きくなることがわかり,これによって界面イオン伝導を有する材料の設計がシミュレーションによって可能であることを示すことができた.
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