2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を反応場とする固体触媒による二酸化炭素固定化反応
Project/Area Number |
15560664
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 進一郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80156869)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 化学的固定化 / 固体塩基触媒 / 環状カーボネート / エポキシド |
Research Abstract |
本研究では超臨界二酸化炭素を反応場かつ反応気質とし、種々の固体触媒を用いて二酸化炭素の化学的固定化を行い、超臨界二酸化炭素を溶媒かつ反応気質とした場合の特性を明らかにし、さらにこれを活性化する触媒を調製する案件を検討することを目的とする。 本年度はエポキシ化合物の中でも反応性の低いスチレンオキシドに二酸化炭素を付加し、スチレンカーボネートを合成する反応に高性能な触媒を探査した。その結果、ルイス塩基であるイミダゾリウム塩あるいは第4級アルキルアンモニウム塩とルイス酸である臭化亜鉛の組合せで高活性・高選択的な触媒系が得られることを見出した。特に臭化亜鉛-テトラブチルアンモニウムヨージドは優れており、そのターンオーバー頻度は従来報告されている値の数十倍であった。興味深いことに、イミダゾリウム塩とアンモニウム塩では反応の二酸化炭素圧力に対する依存性は異なっている。 スチレン、酸化剤および二酸化炭素からのスチレンカーボネート一段合成を行った。この反応にはスチレンからのスチレンオキシド生成とスチレンオキシドへの二酸化炭素付加の二つの反応が含まれている。上述の結果に基づき、臭化亜鉛-テトラブチルアンモニウムブロミドを前段の反応に活性なシリカ担持金触媒と組み合わせることで、昨年度に検討を行ったテトラブチルアンモニウムブロミド単独の場合よりも反応時間を短縮でき、またスチレンカーボネート収率も向上することが分かった。 これらの反応とは別に炭酸エチレンとアミンからジアルキル尿素を合成する反応を行った。種々の金属酸化物を用いた結果、CaOが高活性・高選択的な触媒であることを見出した。アミンと二酸化炭素からのジアルキル尿素合成は困難である。一方、炭酸エチレンはエチレンオキシドと二酸化炭素から工業的に製造されている安価な試薬であるので、炭酸エチレンとアミンの反応は間接的な二酸化炭素固定化と捉えることができる。
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Research Products
(6 results)