2005 Fiscal Year Annual Research Report
直接メタノール型燃料電池における触媒性能向上に関する研究
Project/Area Number |
15560669
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Research Institution | Musashi Institute of technology |
Principal Investigator |
小林 光一 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90097171)
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Keywords | アノード電極触媒 / Pt-Ru-Sn系触媒 / 直接メタノール形燃料電池 / サイクロボルタンメトリー / CO被毒 |
Research Abstract |
現在,直接メタノール形燃料電池(DMFC)のアノード用触媒にはPtRu/C触媒が広く使用されている。しかし,PtRu/C触媒はメタノール酸化の活性が低く,CO被毒やコスト高といった問題も抱えている。これまでに触媒の微粒子化や、Ruに代わる金属との合金化、酸化物の添加等によって触媒活性の向上を目指した研究を行ってきた。そこで、これまでの研究の成果を元に、平成17年度ではPt,RuにSnを加えて三元触媒を調製し、この触媒の酸化活性をボルタンメトリー測定で評価するとともに、この触媒をMEAに組み込んだ直接メタノール型燃料電池の電圧-電流特性を測定し、電池の性能を検討した。 作製したPt-Ru-Sn担持カーボン三元触媒はボルタンメトリー測定から、COの酸化特性はPtにRuやSnを添加することで向上し、その効果はRuよりSn添加触媒の方が大きいことが分かった。この三元触媒によるCO酸化特性の向上はRuによる水の活性化とSnによるPtの電子状態の変化のシナジー効果によるためであることがわかった。また、メタノールの酸化活性に関してはSnの添加触媒はPt-Ru/C触媒よりも反応サイトの表面積が減少しているにもかかわらず、同等の活性を示したことからSnはメタノール酸化に有効に働くことを明らかにした。 これらのPt-Ru-Sn担持カーボン三元触媒を用いてMEAを作製し、直接メタノール型燃料電池を運転し、その電池の電圧-電流特性を測定したところ、触媒活性が表れやすい低電流密度領域においてSnの添加効果が表れ、Pt-Ru/C触媒よりも高い性能が得られた。
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Research Products
(1 results)