2003 Fiscal Year Annual Research Report
高性能脱水素触媒としてのメソ・マクロ細孔構造を有するフェライトの新規調製法
Project/Area Number |
15560670
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
池永 直樹 関西大学, 工学部, 助教授 (20232209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊光 関西大学, 工学部, 教授 (70026045)
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Keywords | フェライト / メソ孔 / 脱硫剤 / 硫化水素 |
Research Abstract |
亜鉛フェライト(ZnFe_2O_4)調製時にテンプレートとして種々のポリマーあるいはジオールを添加することによって、細孔を制御したZnFe_2O_4の調製を試み、その硫化水素吸収特性を検討した。 添加剤としてBlock copolymer(F-127)、PEG6000、PEG4000、PEG400、PAA25000、1,4-Butanediol、1,3-Butanediol、1,3-PropanediolおよびGlycerinを用い、蒸発乾固法によりZnFe_2O_4を調製し、XRD、比表面積、細孔容積および細孔径分布を測定した後、これらを硫化水素吸収試験に供した。 空気流通下、400℃で焼成することでいずれの場合においてもZnFe_2O_4が生成していることがXRDにより確認された。この温度は乾式法と比べると、600℃程度低温であった。また、生成したZnFe_2O_4は平均細孔径が3〜5mmの比較的均一な細孔が発達しており、細孔容積も大きくなった。比表面積も40〜130m^2/gとなり、添加剤を使用しないときと比べ(23m^2/g)、2〜6倍の大きな値を示した。 固定床流通式反応装置を用いて硫化水素の破過挙動を観察した。いずれのZnFe_2O_4を用いた場合でも出口ガスの硫化水素濃度は破過までの間約1ppmに保たれていた。添加剤を使用しないで調製したZnFe_2O_4を用いたときには、硫化水素吸収率は約50%と低い値を示したが、ジオール類を用いて細孔構造を変化させ調製したZnFe_2O_4は、吸収率が100%を超える高い値を示した。また、硫化水素吸収率はZnFe_2O_4表面積には依存せず、細孔容積が大きくなるにつれて硫化水素吸収率は高くなった。
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