2003 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトームに基づくマングローブからの網羅的な耐塩性遺伝子ハンティング
Project/Area Number |
15560679
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
花方 信孝 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (10302796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 聡 東京工科大学, バイオニクス学部, 助教授 (70262110)
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Keywords | マングローブ / 耐塩性 / ディファレンシャル・ディスプレイ / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究は、ディファレンシャルディスプレイと機能的DNAマイクロアレイを組み合わせることにより、大規模なESTプロジェクトによるcDNAの単離や塩基配列解読を行なうことなく、細胞内で発現している遺伝子を網羅的に解析し、マングローブ植物であるオヒルギ(Bruguiera gymnorrhiza)から塩環境に適応するために重要な遺伝子あるいは遺伝子群を得ることを目的とする。本年度はディファレンシャルディスプレイを行ない塩環境で特異的に発現する遺伝子断片を単離増幅した。 西表島でオヒルギ散布体を採集し、研究室にて28℃、湿度70%で半年間、淡水で栽培した。このオヒルギを海水と同程度の500mM NaCl溶液に移し6時間、3日、28日後の葉と淡水で育てた葉からそれぞれRNAを抽出し、4種類のanchored oligo dT primersと10塩基からなる30種類のarbitrary primersを組み合わせた120通りのプライマーでRT-PCRを行なった。PCRでの伸長の際、^<32>PでラベルしたdCTPを取り込ませバンドを可視化した。このディファレンシャルディスプレイにより500mM NaCl溶液に移した後の葉で特異的に発現が認められた425のcDNA断片のバンドを切り出し、同じプライマーの組み合わせによりPCRで再増幅した。ディファレンシャルディスプレイはPCRを利用するため偽バンドが多く出現するという欠点がある。一般には検出されたディファレンシャルなcDNAをプローブとしてノーザン解析により偽バンドを排除する。しかしながら、425のcDNAに対してすべてノーザン解析を行なうことは不可能である。そこで、次年度では、これら425のcDNAを用いてDNAマイクロアレイを作成し、真のcDNAのみを選択する。
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