2004 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線環境場における有機材料の劣化に関する研究-原子状酸素と電子線のシナジー-
Project/Area Number |
15560686
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横田 久美子 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (20252794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
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Keywords | 複合環境 / 低地球軌道 / 原子状酸素 / 電子線 / 帯電 / エロージョン / ポリイミド |
Research Abstract |
本研究は平成13年度日本学術振興会科学研究費のご支援により研究を行ってきた"LEOにおける原子状酸素/紫外線の相対強度がシナジーにおよぼす影響"の内容をさらに発展させ、紫外線以外の複合宇宙環境要因である電子線チャージアップおよび熱についても (1)個々の宇宙環境要因による各種高分子材料の表面/バルク特性の変化をin-situ測定する。 (2)宇宙環境要因のシナジェティックス効果が材料のエロージョンレートにおよぼす影響を定量的に評価する。 (3)複合宇宙環境下における特異な材料表面反応における反応メカニズムを解明する。 以上の3点について研究を発展させようとするものである。 平成16年度には宇宙環境下における宇宙用高分子材料表面の帯電あるいは電子線照射が原子状酸素誘起劣化に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実験を行なった。 実験装置は、絶縁性QCMおよび電子線照射装置を具備したレーザーデトネーション型原子ビーム発生装置を、試料としては水晶振動子マイクロバランス(QCM)上にスピンコートしたポリイミド薄膜を用いた。 実験の結果、5eV原子状酸素照射下においては電子線、帯電の複合効果はいずれも測定されなかった。しかしながら、1.1eV原子状酸素照射下においては、±1000Vを印加して原子状酸素を照射したところ、約20%のエロージョンレートの増加と反応生成物(二酸化炭素)の増加が観察された。また、電圧印加によりポリイミドの表面自由エネルギー増加が確認されたことから、帯電による高分子表面の高エネルギー化により原子状酸素との反応性が増大したものと考えられる。
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Research Products
(7 results)