2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560688
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野村 浩司 日本大学, 生産工学部, 助教授 (30246847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氏家 康成 日本大学, 生産工学部, 教授 (20060197)
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Keywords | 蒸発 / 放射加熱 / 液滴 / 液体燃料 / 噴霧燃焼 |
Research Abstract |
液体燃料のもつ化学的エネルギーを機械的エネルギーに変換する場合に多く用いられている噴霧燃焼は,現象が複雑であり,未だ不明な点が多い.これまで,燃焼過程における放射の影響は,無視されることが多かった.しかしながら,数値計算の進展や,希薄燃焼の実用化にともなう燃焼限界の知見の拡大により,放射が燃焼過程で重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある.本研究では,噴霧燃焼過程において火炎からの放射が液滴蒸発に及ぼす影響について調べる.蒸発挙動と蒸発速度に及ぼす放射エネルギー密度と初期液滴直径の影響を実験的に明らかにする.本年度は,大気圧力環境において3種の試料を用いて実験を行った.得られた結果を報告する. 実験装置は,加熱源である炭酸ガスレーザー,CCDカメラ(毎秒30〜250コマ),パーソナルコンピュータ,液滴を支持するための懸垂線から構成される.試料には正ヘプタン,エタノールおよび水を用い,雰囲気条件は室温・大気圧とした.懸垂線には,炭酸ガスレーザーの放射エネルギーを吸収しにくい金を用い,線直径を10μmとした. 懸垂線直径を変化させて(5,10,20および50μm),液滴直径の二乗の時間変化を調べた.懸垂線直径を増大させると液滴寿命が増大する.懸垂線直径が大きい場合,放射加熱された液滴から懸垂線を伝わって流出する熱が多くなるからと推察される. 放射加熱の場合,液滴直径の二乗の時間変化を表す曲線が下に凸の曲線を描く.このことから,放射加熱蒸発の蒸発係数は液滴直径に依存することがわかった.試料にエタノールおよび水を用いた場合,液滴直径の時間変化はほぼ直線になることがわかった.また,放射出力密度および初期液滴直径が大きい条件では,正ヘプタンおよびエタノール液滴に放射加熱による爆発が観察された.液滴寿命は,爆発が起こる放射出力密度付近までほぼ放射出力密に比例することがわかった.
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