2004 Fiscal Year Annual Research Report
ローカライズド制御理論の構築とその宇宙システムへの応用
Project/Area Number |
15560689
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
森田 泰弘 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙輸送工学研究系, 教授 (80230134)
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Keywords | ローカライズド制御 / 宇宙システム / 柔軟構造物 / 有限要素モデル / 偏微分方程式 / 数値シュミレーション |
Research Abstract |
本研究では、ローカライズドコントロールと言う新しい制御の概念を宇宙機の制御系設計に適用するための研究を行なった。この理論では、システムを有限要素に分割し、各有限要素の変位と回転を記述するローカル座標系に基づき状態空間(ローカライズド空間)を展開する。つまり、システムの数学モデルにシステムの有限要素的振動特性を記述することにより、制御論理の構築において構造の振動特性を陽に反映するものである。複雑な宇宙構造物を制御する場合には、対象を単なる数学モデルとして捕らえるのではなく、構造としての特性を考慮して制御則を構築することが望ましいが、偏微分方程式を取り扱うことの難しさから、この観点での研究は十分に行われてこなかった。ローカライズド制御は、常微分方程式を用いつつも対象の有限要素的振動特性を考慮するものであり、画期的な制御理論と考えることができる。ここでは、最適レギュレータの設計にローカライズド制御の概念を適用するとともに、その実用化のために、システムのパラメータ変化に対するロバスト性を機能的に追加する方法を提案し、これによりローカライズド制御理論の拡張を図った。 昨年度は、ローカライズド制御理論の定式化を行なうとともに、この理論に基づき制御系を設計するための計算コードを作成した。16年度は、この計算コードを数学モデルに適用し、ローカライズド制御の有効性を示すとともに、柔軟宇宙構造物を制御対象として、この制御概念を実システムへ適用するための方法論を示した。特に、センサとアクチュエータの配置問題に対する指針を示すことに加え、制御対象の不確定性に対するロバスト性を獲得するための設計については、従来の試行錯誤的、あるいは、マクロな評価関数的設計から脱却し、複雑な宇宙システムの局所的振動特性を考慮しながら設計を進めるための手法を導いた。
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