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2004 Fiscal Year Annual Research Report

冷却に伴うき裂透水性の変化挙動を支配する臨界温度差の存在

Research Project

Project/Area Number 15560700
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

伊藤 高敏  東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00184664)

Keywords地下き裂 / 透水性 / 熱収縮 / 熱応力 / 地殻応力 / 地熱発電 / 地下還元 / 氷
Research Abstract

岩体中のき裂に沿って低温の流体が流れれば,岩体の温度は初期状態よりも大なり小なり低下する.さらに,温度が低下すると岩体の熱収縮が起こり,この結果,き裂が開口してその透水性が増大すると一般には考えられている.しかし,岩体が大きな地殻応力の作用する圧縮応力場にあることを考えると,熱収縮によってき裂が開口しようとしても,大きな地殻応力がそれを妨げてしまう可能性もあり,き裂の透水性が冷却と共に単純に増大するかどうか定かではない.この問題を明らかにするため前年度には,き裂網を含んだ高温な岩体中に低温の水を流し込んだときの挙動を,理論解析によって評価した.その結果,地殻応力を受ける圧縮場にあっても,注水点周りの冷却域では岩体の収縮に伴う応力低下が起こり,その応力低下が十分に進めば,やがてき裂が開口して透水性が増加し得ることがわかった.この検証を目的として本年度は,以下のような室内実験を実施した.まず,岩石からなる中空円筒とその内側に丁度収まる大きさの円柱を用意し,その円柱部を円筒部の内側に差し込んだ状態で両端を切断したものを試験片とする.ここで,円筒部と円柱部の間の隙間がき裂となる.次に試験片を軸対称三軸圧縮試験機に取り付け,封圧と試験片外周温度を適当な値に設定する.そして,き裂に低温の水を流して試験片の中心部を冷却し,それに伴うき裂透水性の変化を注水の流量あるいは圧力から評価する.実験の結果,注水温度に対して試験片外周温度を上昇させると,ないしは試験片外周温度に対して注水温度を相対的に低下させると,両者の温度差がある大きさを超えたときにき裂の透水性が急増するという現象が現れた.また,この結果は有限要素法による数値シミュレーションによる予測と良く一致した.

  • Research Products

    (2 results)

All 2005 2004

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 低温水流入に伴う熱弾性効果によるき裂透水性の変化挙動と室内実験による検証2005

    • Author(s)
      伊藤 高敏他2名
    • Journal Title

      日本地熱学会誌 27巻・2号(掲載予定)

  • [Journal Article] Utilization of Ice as a Rock-like Material with Transparency for Physical Experiment in Laboratory2004

    • Author(s)
      Takatoshi ITO他2名
    • Journal Title

      Proc.3rd Asian Rock Mech.Symp. Vol.1

      Pages: 173-178

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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