2004 Fiscal Year Annual Research Report
空中および地上電磁探査法の三次元解析による高信頼化(地すべり調査への応用)
Project/Area Number |
15560702
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 裕 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10128027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 裕臣 農業工学研究所, 造構部, 主任研究官 (00373225)
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Keywords | 地中電磁探査 / 電磁探査 / 逆解析 / 地すべり |
Research Abstract |
高知県の地すべり地域(桃原地区)で取得された空中電磁探査データのうち、注目すべき1つの地すべりブロック(‘Cブロック')上を通る測線に対して、前年度に開発した三次元(二次元)解析法を適用した。Cブロック上の主測線ではすでに比抵抗法二次元探査が実施され、深度約100mまでの比抵抗断面が得られ、また調査ボーリングも実施されているので、これらの結果と比較することにより空中電磁法の解析結果を評価した。Cブロックは上部と下部に分けられるが、空中電磁法でもブロック上部で700Ωm以上の高比抵抗、下部で700Ωm以下の低比抵抗となっており、比抵抗法二次元探査の結果とも調和的である。ブロック下部の低比抵抗部は土砂化した地すべり崩積土の分布に対応することが確認できた。ブロック上部の高比抵抗は亀裂の発達した結晶片岩からなる岩盤地すべりブロックに相当するものと考えられる。以上のことから空中電磁法は比抵抗法二次元探査とほぼ同程度の信頼性があると結論できる。 地上電磁法には大別すると、送受信コイル間隔が探査深度に比べて非常に小さいタイプと、そうでないタイプがある。これら2つのタイプについて逆解析法の適用性について比較した。第一のタイプでは通常の地盤比抵抗(100Ωm以上)のもとでは同相成分が離相成分に比べて一桁または二桁程度低いため、電磁ノイズの影響を大きく受け、逆解析等の定量解析は一般に不可能であり、比抵抗の極低異常域を定性的に把握するのに適していると結論できる。一方、第二のタイプでは二次元あるいは三次元逆解析法が極めて有効であることを示した。これまで第二のタイプの電磁法に対してはプロファイル曲線の目視による定性的解析が一般に行われてきたが、逆解析法の適用により電磁法の信頼性を大きく向上させることができることを具体的に示した。また空中電磁法と地上電磁法のジョイント解析の見通しを得た。
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