2003 Fiscal Year Annual Research Report
セメント廃材及び石炭灰の有効利用による新規晶析型多孔質脱リン材の開発
Project/Area Number |
15560707
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩見 治久 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (60215952)
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Keywords | メカノケミカル処理 / ワラストナイト / 炭酸化処理 / 晶析型脱リン材 / 水質浄化 / 廃セメント / 廃石膏 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
メカノケミカル処理したワラストナイトを炭酸化処理して得られる硬化体に多孔性付与材としてフライアッシュ,カルシウム放出源として廃セメントを添加した場合,リン除去特性がワラストナイト単独で炭酸化処理して得られる硬化体に比較して著しく向上した.これは,廃セメントからリン除去に必要なカルシウムイオンが効率的に供給されるためであると考えられる.しかし,炭酸化温度が低い場合にはリン含有溶液のpHが著しく上昇し,微細なハイドロキシアパタイトの沈殿が生成した.また,炭酸化温度が高い場合には処理温度が低い場合に比較して著しくリン除去率が低下した.これは,セメント中の水酸化カルシウムが炭酸化により炭酸カルシウムに変化するため,カルシウムの溶出量が減少するためと考えられる.したがって,セメント廃材をカルシウム放出源として用いる場合には,炭酸化処理条件を厳密に制御することが必要となる. 一方,建築用廃材として多量に放出される廃石膏をカルシウム放出源として添加した場合には,炭酸化処理の程度に依存せず,石膏が安定で,かつ,リン含有水溶液のpHの上昇も認められず安定して高いリン除去率が得られることが分かった.また,廃石膏を用いた場合には,炭酸化処理温度にかかわらず,微細な沈殿が発生せず,本研究で目的とする晶析型脱リン材としての応用が可能であることが分かった.今年度は,脱リン材としての初期性能は満足出来たと考えられ,次年度については耐久性,および更なるリン除去速度の向上について検討する.
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Research Products
(1 results)