2003 Fiscal Year Annual Research Report
資源循環型社会を指向した収集・運搬システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15560709
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小泉 明 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (80137025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 康裕 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50326013)
山崎 公子 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (80087254)
稲員 とよの 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (60154259)
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Keywords | 循環型社会 / 静脈物流 / 家電リサイクル / 収集・運搬システム |
Research Abstract |
本研究では,資源循環型社会を実現する上で必要とされる「静脈物流」に焦点を当て,廃棄物処理やリサイクルにおける収集・運搬の効率性に関する基礎的研究を行った。具体的な事例として,平成13年4月より本格施行された家電リサイクルを取り上げ,ヒアリング調査等の手段を用いた静脈物流システムの実態把握を試みた。現行の家電リサイクルでは,小売店・家電メーカーを中心とする民間の回収ルートが活用されるため,廃家電品の収集・運搬台数等に関する正確なデータ収集は困難であることが明らかにされた。そこで,廃家電品の廃棄台数を把握するため,東京都を対象とした53区市町村別の推定を行った。テレビ,洗濯機,エアコン,冷蔵庫の対象4品目別に,一世帯当たりの平均保有台数を単独世帯と二人以上世帯に区分して定め,区市町村別の世帯数を乗じて算出した。一方,リサイクルに要する全体コストの約3分の1を占めるとされる物流費用に着目し,小売店から指定引取場所までの一次輸送,及び指定引取場所からリサイクル施設までの二次輸送に係る各々の輸送単価を算定した。また,輸送コストの増減と相反する関係にある指定引取場所の設置費用について,設置1ヶ所当たりに要する管理コストを人件費とスペース費の試算額から算出することにした。指定引取場所の施設配置に関する最適化問題を検討する際,本研究で得られた輸送コスト及び管理コストは基礎的な情報として活用できる。 静脈物流ネットワークの拠点となる「総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)」の創設・指定の動きを受け,北九州市港湾局の担当者より現況についてのヒアリング調査を実施した。より広域的な廃棄物処理及びリサイクルの実現には,鉄道や船舶を活用した静脈物流の構築が重要であるのと同時に,拠点施設の適正立地を計画する場合,最適化手法を応用することの必要性も確認された。
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[Publications] 荒井康裕, 前田雅史, 小泉明, 稲員とよの: "家電リサイクルを対象とした施設配置・輸送計画の最適化に関する一考察"第14回廃棄物学会研究発表会講演論文集. I. 242-244 (2003)
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[Publications] 小泉明, 荒井康裕, 木村直人: "浄水発生土の下水処理プロセスへの適用とリン除去効果に関する定量的評価"用水と廃水. Vol.46/No.2. 55-63 (2004)