2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560715
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 良夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30193816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70294048)
西川 雅弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029287)
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Keywords | 水素拡散挙動 / タングステン / ブリスタリング / Kドープタングステン / La_2O_3ドープタングステン / 結晶組織 |
Research Abstract |
水素・炭素混合イオンビームを色々なタングステン材料に照射して、ブリスタリングの発生の様子を調べた。タングステンに水素イオンビーム照射によりブリスタリングが発生するメカニズムは、水素がタングステンの内部に拡散して、内部応力を発生させることや、粒界に蓄積して粒界の密着性を弱めることにより発生していると言われている。従って、高Z材料であるタングステン中の水素拡散挙動がブリスタリングの発生に大きな影響があると考えられ、逆にブリスタリングの特徴を詳細に調べることにより、タングステン中での水素挙動について新しい知見を得ることができる。実験では、純タングステン(99.95w%)、Kドープタングステン、La_2O_3ドープタングステンのそれぞれの材料について、応力除去材(圧延加工後、900℃で熱処理)、再結晶材(純Wは1300℃、ドープタングステンは1500℃)の2種類の熱処理を施した計6種類の材料を使用した。イオンビームは、主に1keV H_3^+で、炭素不純物量は0.1-0.8%で行った。資料温度は653Kで、表面を機械研磨により鏡面加工してある。結果は以下の通りである。 1)炭素不純物量を、0.1%から0.8%に増加させることで、どの材料についてもブリスタの形成が促進され、炭素不純物の影響は、どのタングステン材料についても同様であった。 2)純タングステンは、ドープタングステンに比べブリスタの発生が少なく、また、再結晶化によりさらにブリスタの発生が少なくなった。 3)ブリスタの形状は、結晶組織と密接な関係があることが分かった。表面に平行な層状構造を持つ材料では表面付近が湾曲して変形しドーム状のブリスタが形成されるが、再結晶化が進んだ材料では、結晶粒が粒界で破断して表面方向へ持ち上がった様な台形形状のブリスタとなる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Shimada, H.Kikuchi, Y.Ueda, A.Sagara, M.Nishikawa: "Blister Formation of Tungsten by Hydrogen and Carbon Mixed Ion Beam Irradiation"Journal of Nuclear Materials. 313-316. 204-208 (2003)
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[Publications] T.Shimada, Y.Ueda, M.Nishikawa: "Mechanism of blister formation on tungsten surface"Fusion Engineering and Design. 66-68. 247-252 (2003)
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[Publications] R.Kawakami, T.Shimada, Y.Ueda, M.Nishikawa: "Dynamic Behavior or Tungsten Surfaces due to Simultaneous Impact of Hydrogen and Carbon Ion Beam"Japanese Journal of Applied Physics. 12. 7529-7535 (2003)
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[Publications] Y.Ueda, T.Shimada, M.Nishikawa: "Impacts of Carbon Impurity in Hydrogen Plasmas on Tungsten Blistering"Nuclear Fusion. 64. 62-67 (2004)