2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560715
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 良夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30193816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 雅弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029287)
大塚 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70294048)
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Keywords | タングステン / ブリスタリング / 水素・炭素・ヘリウム混合ビーム / プラズマ対向壁 |
Research Abstract |
核融合反応で生じるヘリウムイオンが、タングステンプラズマ対向壁へ入射した場合の影響を調べるために、従来より行っている、水素・炭素混合イオンビーム照射実験において、ヘリウムをさらに加えてタングステンに対する照射効果を調べた。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)ヘリウムガス中での分子イオンの解離・中性化断面積測定 ヘリウムはイオン化断面積が水素に比べ小さいために、わずかのヘリウムイオン割合を得るためにもかなり多くのヘリウムを注入する必要がある。その結果、引き出されたイオンビーム、特にビーム中の炭化水素イオンがヘリウムガスと衝突して中性化や解離する断面積を求めておくことが、微量不純物量の算出に必要である。そこで、ヘリウムガスの線密度を変化させて、炭化水素イオンや、水素分子イオンの解離・中性化断面積を詳細に調べ、混合ビーム実験における微量不純物の割合を正確に算出した。 (2)タングステンへの水素・炭素・ヘリウム同時照射実験 昨年度までの実験で、イオンエネルギー1keVH_3^+に炭素イオンを混合した場合に、炭素量が約0.3%を超えると、ブリスタリング現象が顕著に観測されることがわかっている(試料温度、500℃以下)。そこで、今年度はこのビームにさらにヘリウムイオンを混合して、ブリスタリングの発生状況や試料表面近傍における炭素の化学状態を調べた。その結果、0.1%程度とごくわずかのヘリウムを混合するだけで、ブリスタリングが抑制されることが明らかになり、ヘリウムのタングステン中の水素挙動に及ぼす影響は非常に大きいことが明らかになった。さらに、高温(750℃程度)で、ヘリウムを10%程度混入させた場合には、タングステン表面近傍での一部の炭素の存在状態が、タングステンとの化合物(WC)からグラファイト状態になっていることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)