2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動論的MHDモデルによる核燃焼プラズマのMHD特性の研究
Project/Area Number |
15560716
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内藤 裕志 山口大学, 工学部, 教授 (10126881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福政 修 山口大学, 工学部, 教授 (20026321)
矢木 雅敏 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70274537)
徳田 伸二 日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (60354578)
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Keywords | 核融合 / 拡張MHDモデル / 運動論的モデル / 内部キンクモード / 渦 / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
国際熱核融合炉実験炉(ITER)の炉心プラズマでおこる、MHD的不安定モードの成長から微細構造形成へ至る過程を超並列コンピュータ上で模擬し、その物理機構を明らかにし、これによってITERにおける物理現象を予言できる物理的知見を構築することを目的として以下の研究結果を得た。 (1)ジャイロ簡約MHDコードによる運動論的内部キンクモードのシミュレーションにより以下の結果を得た。線形シミュレーションの結果:イオンのランダウ減衰を取り入れたモデルを開発した。イオンのランダウ減衰により中間的な密度勾配で安定領域が生じる。イオン温度を上げるほど安定化の効果は大きくなる。この結果は、内部キンクモードの安定性には密度勾配とイオン温度が複雑にからんでいることを示唆している。非線形シミュレーションの結果:密度勾配がある場合、運動論的内部キンクモードの線形モードパターンはm=1(mはポロイダル方向のモード数)のポロイダルシア流を含む。ポロイダルシア流がある領域でケルビン・ヘルムホルツ的不安定性により多くの渦が形成される。渦の形成により運動論的内部キンクモードは安定化される。渦同士は強い相互作用を示し、密度勾配がある領域全体にわたってより小さい渦が乱流的に相互作用する。密度勾配は渦により少し平坦化する。この乱流的状態により有理面近傍の粘性が強まり内部キンクモードを再び不安定化する。これらの結果は従来の理論では完全に見過ごされていた物理を含み、トカマクプラズマの鋸歯状振動の崩壊過程に関する未解明の物理を解き明かすための新しいパラダイムを提供すると考える。 (2)ジャイロ運動論的粒子コードは、従来の手法では低ベータプラズマしか取り扱うことが出来なかった。新たに、高ベータプラズマにも適用できるsplit-weight perturbative particle simulation schemeを用いた定式化を完了した。次年度にコードに組み込む予定である。
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Research Products
(5 results)