2003 Fiscal Year Annual Research Report
超微弱高エネルギー電子線照射場の確立とその利用研究
Project/Area Number |
15560729
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 修一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (00142175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 崇夫 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (70360047)
古田 雅一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (40181458)
谷口 良一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 講師 (60155215)
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Keywords | 電子ライナック / 超微弱電子線 / 照射効果 / 熱蛍光線量計 / 放射線影響 / 吸収線量 / 電子線照射場 / 放射線計測器 |
Research Abstract |
超微弱電子線を用いると、エネルギー可変、パルス照射などの特徴により、生物への放射線影響や高感度の放射線計測器の特性を調べる上で重要な知見が得られることが期待される。本研究の目的は、エネルギー10MeV前後において超微弱電子線を安定に発生させ、これを精度良く計測するとともに、照射野を広くまた狭く制御するための技術を開発して、この照射場を確立することである。平成15年度の研究では、先端科学研究所の電子ライナックを用いて実験を行い、電子線のエネルギー、10MeVで入射電流とパルス幅を減少させ、超微弱ビームを発生させた。電子線を偏向磁石で曲げて、電荷量をファラデーカップで測定した。測定には、低ノイズアンプを使用した。これによってパルスあたりの最低電荷量約10pCの電子線が得られた。照射室に導かれたビームの強度をスリットを利用して約1/1000に減少させ、最終的に約30fCの電荷量が得られた。このビームにより発生する制動放射X線が、そのスペクトル測定を行うために十分弱いことを確認した。ほぼ電子線強度の目標は達成されたが、最終目標は10fCで、これが平成16年度の課題である。これを実現するためにパルス幅5nsの電子銃グリッドパルサーを試作した。またビームを散乱板によって広げる試みを行った。 今後この照射場を利用して、熱蛍光線量計やイメージングプレートの特性を明らかにする。また生物への放射線影響についての知見を得る。超微弱電子線を利用したこれらの研究を進めるための照射条件についての検討と準備を行った。
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