2005 Fiscal Year Annual Research Report
固体酸化物形燃料電池小型分散電源システムの電力負荷追従運転に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15560732
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
乾 義尚 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70168425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 衡平 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10283491)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / 小型分散電源 / 負荷変動 / 電力負荷追従運転 / インバータ / 電気二重層コンデンサ / 交流インピーダンス |
Research Abstract |
集合住宅の電力需要は,過渡変化の時定数が時間オーダーの長周期で大きな日変動成分に,時定数が秒〜分オーダーの短周期の比較的小さい瞬時変動成分が重畳したものとなっている.本研究では,固体酸化物形燃料電池を用いた集合住宅用の小型分散電源システムの柔軟な電力負荷追従運転を実現するために,日変動成分に対しては燃料電池の部分負荷運転で,また瞬時変動成分に対してはインバータの構成と制御法の工夫により対応することを考え,検討を行ってきた.このうち,日変動成分への対策の検討は昨年度までに終了したので,本年度は瞬時変動成分への対策を中心に検討を行った.瞬時負荷変動に対しては燃料電池の制御だけで追従することはできないので,燃料電池と負荷の間に入るインバータ部に蓄電装置である電気二重層コンデンサを設置することにより対応することを提案し,まず,電気二重層コンデンサを備えたインバータの模擬実験装置を用いた実験とそれに対応する数値シミュレーションの両面から,インバータの電力負荷追従運転法の検討を行った.その結果,電気二重層コンデンサを備えたインバータは,時定数が0.1〜0.3秒で負荷の瞬時変動に追従し,負荷の瞬時変動成分を吸収するのに十分な性能を有していることを明らかにすることができた.このように,電気二重層コンデンサの設置により瞬時負荷変動の大部分は吸収できるが,その負荷変動が若干は燃料電池にまで及ぶ可能性がある.そこで,次に,平板型固体酸化物燃料電池の交流インピーダンス特性の数値シミュレーションにより,この若干の負荷変動が燃料電池の動作に及ぼす影響の検討を行った.その結果,0.1〜0.3秒の時定数領域では燃料電池の交流インピーダンスは小さく,この若干の負荷変動は燃料電池の動作に悪影響を及ぼさないことを明らかにすることができた.
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Research Products
(4 results)