2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570005
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
犬塚 學 福井大学, 医学部, 教授 (00135104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 豊 福井大学, 医学部, 助教授 (80211522)
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Keywords | DNA複製開始 / 分子適応 / プラスミド / R6K / DnaA蛋白 / 挿入配列IS5 / IHF蛋白 / reservoir model |
Research Abstract |
DNA複製はイニシオゾーム(複製開始点(ori)DNAと多くの複製タンパク質との複合体)が形成されることから始まる。薬剤耐性プラスミドR6Kをモデルとして、複製開始に必須のDnaA蛋白およびIHF蛋白が欠損した場合に、R6Kの分子適応がどのようにしてプラスミドDNA分子集団中で形成され、どのようなメカニズムで相補機能するかを解析した。 1)可動挿入配列‘IS5'のトランスポジションによるR6K DNA複製開始装置のDnaA蛋白非依存的複製への分子適応(シスにのみ作用): (1)R6Koriの上流に、宿主DNA上から転位したIS5のtransposase遺伝子とその転写が、DnaA-非依存的複製開始に必須であることを、IS5の種々の欠失変異誘導体やtransposase遺伝子への部位特異的変異の導入などにより解明した。 (2)‘挿入されたIS5によるR6K複製開始のTranscriptional activation'メカニズムを、transposaseプロモーター(Ptnp)の転写活性とDnaA蛋白非依存的複製能との相関関係などより明らかにした。 2)R6Kのイニシエーターπ蛋白pir遺伝子の変異によるヒストン様蛋白IHF蛋白非依存的複製能の獲得(トランスにも作用): (1)π蛋白のC末端の欠失変異やcopy-up変異によりIHF非依存的に複製できることを解明した。 (2)π蛋白のダイマーモデルにおいて、これら変異は2つのモノマーの接触面の近傍にマップされた。 3)宿主変異によるDNA複製環境の変化にも対応できるように、10^<-5>〜10^<-6>の頻度で前述の変異株をreservoirとしてもつR6K DNA集団が存在することを発見・証明し、分子適応における"reservoir model"を提唱した。さらに、ここに、‘IS5'の複製開始に対する新機能を発見し、分子進化の観点からも研究することができた。
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Research Products
(1 results)