2005 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるエチレン生合成調節の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
15570029
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 隆英 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60125929)
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Keywords | エチレン / ACCシンターゼ / ACCオキシダーゼ |
Research Abstract |
エチレンは高等植物において,多様な生理作用を行う植物ホルモンであり,その生合成制御の分子機構を解明することは,植物の生長調節機構を明らかにするうえで重要な課題である.高等植物のエチレン生合成経路においてACCシンターゼ(ACS)とACCオキシダーゼ(ACO)は主要な酵素である.これらの酵素には多数のアイソ酵素があり,それぞれ時期や組織,また様々な環境刺激に応答して特異的に発現している.これらの酵素遺伝子のプロモータ領域に特異的に結合する転写調節因子をクローニングして機能解析することにより,複雑に発現制御されているこれら遺伝子間の発現調節の分子機構が解析できる.今年度はCMeDREB/ERFを過剰発現するアラビドプシス形質転換体を作成した.これらの形質転換植物を用いてCMeDREB/ERFの機能解析を行う予定である.また,ACO遺伝子発現にEIN3様(EIL)遺伝子がどのように関与しているか調べた.メロン果実より2種類のCmEIL遺伝子(CmEIL1とCmEIL2)をクローニングした.それらのアミノ酸配列をEIN3タンパク質と比較するとDNA結合部分の配列は高い相同性を示した.メロン葉を用いた一過的発現系でCmEILタンパク質はCmACO1遺伝子発現を促進した.また,CmEILタンパク質は酵母One-hybrid法でCmACO1プロモータ配列と特異的に結合することが明らかになった.CmACO1mRNAレベルは果実の成熟で上昇した.また葉ではエチレン処理により著しく上昇した.CmEILmRNAレベルは果実で成熟に伴い上昇したが葉切片ではエチレン処理や傷害処理では変動しなかった(日本植物生理学会2005年度年会(筑波大学)で発表).
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Research Products
(1 results)