2005 Fiscal Year Annual Research Report
青色光受容体クリプトクロムの細胞内局在とシグナル伝達機能
Project/Area Number |
15570031
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山本 直樹 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50107009)
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Keywords | クリプトクロム / イネ / 青色光 / NLS / NES / 核輸送 / 核外輸送 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
クリプトクロムの機能と細胞内分布の相関を明らかにすることを目的として、以下のように研究を実施した。 (1)蛋白工学的手法によるクリプトクロムの改変が生理学的活性に及ぼす影響 GFPを付加したイネのクリプトクロム(GFP-OsCRY1)は、シロイヌナズナのクリプトクロム変異を相補した。GFP蛍光によりOsCRY1の細胞内分布を調べると核ばかりではなく、細胞質にも分布していた。活性を持つクリプトクロムは、核局在型か細胞質局在型かを決定するために、核内輸送シグナル(NLS)または核外輸送シグナル(NES)を付加した遺伝子をシロイヌナズナのクリプトクロム変異株に導入し、NLS付加ならびにNES付加がクリプトクロムの生理学的活性に及ぼす影響を調べた。クリプトクロムの生理活性は、青色光によるT2世代の下胚軸の伸長阻害により評価した。NLSを付加したNLS GFP-OsCRY1は下胚軸の伸長阻害を強めた。逆にNES GFP-OsCRY2はほとんど影響をもたらさなかった。NLS付加によるクリプトクロム機能の増強効果は青色光に特異的であり、赤色光や遠赤光の阻害効果には無効であった。以上の結果は、クリプトクロムのシグナル伝達の一次反応は核内で起こっていることを示している。 (2)クリプトクロムのパートナー分子の機能解明 クリプトクロムによる青色光シグナル伝達の分子機構を明らかにするために、Far Western法によりクリプトクロムと分子間相互作用を示すタンパク質(パートナー分子)の単離・同定を試みたが、成功にいたることが出来なかった。
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