2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570041
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
太田 尚孝 東京理科大学, 理学部・教養学科, 助教授 (40223838)
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Keywords | 酸性ストレス / 遺伝子発現 / ラン色細菌 / DNAマイクロアレー |
Research Abstract |
植物は常に強光、低温、酸性雨などの環境ストレスにさらされ、その生存のために細胞応答をしている。すでに強光あるいは低温などの環境ストレスに対する応答のメカニズムについては数多くの報告があるが、酸性ストレスについてはほとんどない。そこで我々は酸性pH条件をいろいろと検討した上でラン色細菌Synechocystis sp.PCC 6803をpH3.0の培地で30分〜4時間培養した細胞と通常pH条件で30分〜4時間培養した細胞からRNAを精製し、DNAマイクロアレイを用いて両者の遺伝子発現の違いを網羅的に比較した。その結果、酸性特異的に発現が誘導される遺伝子をおよそ30個見出した。 そのうちslr0967とsll0939は、Wild typeに比べその発現が少なくとも4時間まで、それぞれ、12倍と20倍に増加し続けることが確認され、これらの遺伝子産物が酸性ストレスに対し直接的な関与をしていることが示唆され、非常に興味深い。 そこで、両遺伝子の破壊株を作成し、酸性ストレスに対する応答を検討した。その結果、得られた欠損株と野生株をpH4.5の酸性BG-11プレート上にまき生存限界を調べたところ、両欠損株とも、酸性ストレスに対する感受性が高まっていて、Wild typeに比べ、長く生存できないことがわかった。両遺伝子に加え、その他、酸性ストレス応答遺伝子欠損株についても解析中である。また、両遺伝子の強発現系を構築中であり、その変異株について酸性ストレス耐性を評価予定である。
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[Publications] T.Suzuki, J.Minagawa, T.Tomo, K.Sonoike, H.Ohta, I.Enami: "Purification and characterization of oxygen-evolving Photosystem II complex from a green alga, Chlamydomonas reinhardtii"Plant Cell Physiol.. 44(1). 76-84 (2003)
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[Publications] H.Ohta, T.Suzuki, M.Ueno, A.Okumura, S.Yoshihara, J.-R.Shen, I.Enami: "Extrinsic proteins of photosystem II. An intermediate member of the PsbQ protein family in red algal PSII."Eur.J.Biochem.. 270. 4156-4163 (2003)
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[Publications] I.Enami, M.Iwai, A.Akiyama, T.Suzuki, A.Okumura, T.Katoh, O.Tada, H.Ohta, J.-R.Shen: "Comparison of binding and functional properties of two extrinsic components, Cyt c550 and a 12 kDa protein, in cyanobacterial PSII with those in red algal PSII."Plant Cell Physiol.. 44(8). 820-827 (2003)
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[Publications] A.Tohri, N.Dohmae, T.Suzuki, H.Ohta, Y.Inoue, I.Enami: "Identification of Domains on the Extrinsic 23 kDa Protein Possibly Involved in Electrostatic Interaction with the Extrinsic 33 kDa Protein in Spinach Photosystem II"Eur.J.Biochem.. (in press). (2004)