2004 Fiscal Year Annual Research Report
カエル皮膚における上皮性ナトリウムチャネルと水チャネルの機能的分布
Project/Area Number |
15570051
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長井 孝紀 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50130026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 忠 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90216359)
田中 滋康 静岡大学, 理学部, 教授 (90146233)
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Keywords | カエル / 皮膚 / 水分吸収 / ナトリウムチャネル / 水チャネル / ナトリウム輸送 |
Research Abstract |
カエル皮膚でのNa^+の流入経路については、15年度に免疫組織化学的方法で調べたので、16年度は皮膚でのNa^+濃度勾配形成と関連する水チャネル(AQP)の分布を中心に調べた。 1.水チャネル(AQP)の抗体 アマガエル(Hyla japonica)の皮膚からクローニングされた水チャネルAQP-h2に対する抗体、抗AQP-h2抗体を作った。この抗体の認識部位はAQP-h2のC末端部分で、AQP-t2(オオヒキガエル、Bufo marinusの水チャネル)とアミノ酸配列が100%一致する部分である。これを用いて、ヒキガエル(Bufo alvariusとBufo punctatus)の皮膚、腎臓、膀胱でのAQPの存在をウエスタンブロットで調べた。さらに、皮膚の組織での分布を免疫組織化学法で調べた。 2.水チャネル(AQP)の分布 ウエスタンブロットでAQPは下腹部の皮膚においてB.alvariusでは30kDのバンドとして、B.punctatusでは31kDのバンドとして検出された。しかし、胸部と背側皮膚には全く検出されなかった。この結果はこれらのヒキガエルが腹部皮膚から水分吸収をするという動物行動と一致する。そのほか膀胱にも検出されたが、腎臓には検出されなかった。免疫組織化学法で、AQPは下腹部皮膚の角質層直下にある最外顆粒層の顆粒細胞に分布することが示された。B.alvariusでは顆粒細胞の頂部の細胞膜に、B.punctatusでは外側基底部の膜に分布していた。
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