2005 Fiscal Year Annual Research Report
カエル皮膚における上皮性ナトリウムチャネルと水チャネルの機能的分布
Project/Area Number |
15570051
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長井 孝紀 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50130026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 滋康 静岡大学, 理学部, 教授 (90146233)
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Keywords | カエル / 皮膚 / 水分吸収 / ナトリウムチャネル / 水チャネル / ナトリウム輸送 |
Research Abstract |
カエルの皮膚でのNa^+の流入経路は上皮性Na^+チャネル(ENaC)に対する抗体を用いて調べてある(平成15年度)。16年度は水チャネル(アクアポリン;AQP)に対する抗体を作り、水チャネルの分布を調べた。17年度も引き続いてこの抗体を用いて分布を調べると同時に、カエル皮膚をホルモンで刺激したときの効果を調べた。 用いた抗体はアマガエル(Hyla japonica)の皮膚からクローニングされた水チャネルAQP-h2に対する抗体である。コロラドヒキガエル(Bufo alvarius)とアカモンヒキガエル(Bufo punctatus)の体の各組織をウエスタンブロット解析すると、両種とともに水チャネルは背側皮膚には分布せず、胸部を除いた腹側皮膚に特異的に分布していることがわかった。腹側皮膚を切り出し、両生類での抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT,10^<-8>M)を含む生理食塩水中で20分間インキュベートし、インキュベーションの前後でAQP-h2に対する抗体反応の強さを比較した。Bufo alvariusでは皮膚の顆粒層細胞の頂部細胞膜に反応が集中する傾向があった。この頂部細胞膜にはNa^+チャネルが分布しているので、ヒキガエルが皮膚を介しての水分吸収行動をしているときに、高濃度のナトリウムに遭遇すると、これが流入して危険信号として作用することが説明される。Bufo punctatusでは、AVT刺激の効果はあまり明確ではなかった。
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