2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久冨 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60231544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
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Keywords | 視覚 / EST / 再生 / イモリ / 遺伝子組換え / 遺伝子導入 / 発現 |
Research Abstract |
本研究により、イモリ視覚再生に関して、以下のような結果を得た。 1.色素上皮細胞の脱分化過程 ディファレンシャル・ディスプレイ法により見いだされたDD750遺伝子を大腸菌に導入し、発現させた組換えタンパク質を用いて抗血清を作成した。免疫組織化学的解析の結果、イモリ成体の網膜色素上皮細胞では抗血清の反応性が認められなかったが、網膜除去手術後の色素上皮細胞では反応性が認められたことから、この遺伝子は神経組織の再生に関して、何らかの役割を果たしていると考えられた(久冨)。 2.網膜前駆細胞の解析 イモリ成体の網膜(正常網膜)および再生過程にある網膜(再生網膜)に由来するcDNAライブラリーを用いてEST解析を行い、正常網膜と再生網膜で遺伝子の発現が大きく異なることを明らかにした。また、in situハイブリダイゼーション法により、再生過程にある網膜前駆細胞でスタスミン、チモシン、脳由来脂肪酸結合タンパク質(B-EABP)をコードする遺伝子の発現量が増加することを明らかにした。これらの結果から、網膜前駆細胞の性質を推定した(久冨・徳永)。 3.In vivoでの遺伝子ノックダウン スタスミンの塩基配列を元にアンチセンス・モルフォリノオリゴを作製し、イモリ成体の眼球内に導入した。その結果、カチオンリポソームを用いた場合は、導入されるオリゴヌクレオチドの量が少ないことが明らかになった。そこで、試薬類や導入条件を検討した結果、アンチセンスオリゴの導入により網膜構造が変性する条件を見いだしたので、ウェスタンブロット法を用いた定量的な解析を行った(久冨)。
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