2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570064
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安藤 正昭 広島大学, 総合科学部, 教授 (10100976)
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Keywords | 飲水行動 / 脳室周囲器官 / 間脳 / 延髄 / 舌咽・迷走運動核(GVC) / 迷走神経葉(LX) / 迷走神経枝 / 細胞内Ca^<2+>濃度 |
Research Abstract |
海水ウナギの静脈中にアンギオテンシンIIを注射すると飲水量が増加し、グレリンや心房性ナトリウム利尿ペプチドを注射すると飲水行動は抑えられる(Ando et al.,2000)。これらのペプチドを脳室内に投与しても同様の結果が得られる(Kozaka & Ando,2003)ので、作用部位として脳が考えられるが、ウナギの脳で血液・脳関門を欠いている部位(脳室周囲器官)として、magnocellular preoptic nucleus(PM)とanterior tuberal nucleus(NAT)及び延髄のarea postrema(AP)を同定した。またPM neuronはバソトシン抗体で染まり、AP neuronはカテコールアミン合成酵素であるチロシン水酸化酵素の抗体で染まった(Mukuda et al.,2005)。一方、ウナギの上部食道括約筋(upper esophageal sphincter muscle ; UES)は延髄の舌咽・迷走運動核(glossopharyngeal-vagal motor complex ; GVC)によってコリナージックに支配されており(Mukuda & Ando,2003;Kozaka & Ando,2003)、GVCのニューロン活動はカテコールアミンで抑えられる(Ito et al.,投稿中)。したがって、APからGVCへの入力があるのではないかと考え、APを電気刺激してみたが、GVCへの影響は見られなかった。しかし迷走神経葉(vagal lobe ; LX)を刺激するとGVCには興奮性と抑制性の両方の入力が見られた。このことは、前記脳室周囲器官からLXを介してGVCへ入力する回路が存在することを強く示唆する(Ito & Ando,準備中)。一方、ウナギの延髄から出た迷走神経は10本に枝分かれしているが、その内のX5と名づけた分枝のみがUESの運動神経であった(Ogawa & Ando,準備中)。この神経は20Hzで刺激されたときにUESを最大に収縮させるが、それはUES筋細胞内のCa^<2+>濃度が20Hzのときに最大になるということで説明できる(Tamura & Ando,準備中)。
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Research Products
(2 results)