2003 Fiscal Year Annual Research Report
白亜紀の炭化植物化石に基づく原始的被子植物群の初期進化の解明
Project/Area Number |
15570076
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 正道 新潟大学, 理学部, 教授 (00154865)
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Keywords | 白亜紀 / 被子植物 / 初期進化 / 炭化化石 / 古植物学 / ミズキ科 / 双葉層群 / 花化石 |
Research Abstract |
近年、白亜紀の古植物学的発見や分岐分類学の発展および分子系統学の研究成果等により、被子植物の起源と初期進化に関する研究は、急速に展開しつつある。被子植物の炭化化石を良好に保存されている状態でとりだすことができる白亜紀の特殊な条件下で堆積した地層は世界的にも極めて少なく、これまでに、ヨーロッパと北アメリカ東部の特定の地層に限られていた。高橋は、日本各地において、bulk sieving techniques法による被子植物化石の研究の可能性を探した。その結果、白亜紀の被子植物始源群の花、果実、種子などの化石含むいくつかの有力な白亜紀の地層を発見し、その中のひとつを上北迫化石植物群と呼ぶことを提案した。日本の白亜からはじめて発見されたこれらの炭化植物は、北アメリカ、ヨーロッパ・中央アジアから報告された植物化石群に匹敵する保存性の良好な植物化石(Mesofossils)である。 今年度は、双葉層群の新たな層順について、Mesofossilsの探査を行った。その結果、炭化化石を含んでいる年代の異なる層順があることを発見した。さらに、海外共同研究者であるPeter R.Craneが来日した折に、研究の現状と今後の展開について、広く詳細にわたる検討を行った。これまでに発見された炭化化石の中で未発表である資料をまとめて、発表するために準備を行うことになった。また、これまでの白亜紀における被子植物の炭化化石の研究成果をまとめた著作物を発表するための準備を進めている。
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