2004 Fiscal Year Annual Research Report
広葉樹を食するヒラタハバチ亜科の系統分類と幼虫の寄生選択ならびに造巣習性の進化
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15570093
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
篠原 明彦 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (50183835)
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Keywords | ハチ目 / ヒラタハバチ科 / ヒラタハバチ亜科 / 広葉樹食性 / 系統分類 / 寄主選択 / 造巣習性 |
Research Abstract |
1.次のような日程でおもに成虫の採集を目的とした調査をおこない、多くの研究材料を得た.1)平成16年5月3日-10日、岡山県岡山市ならびに愛媛県石槌山、2)6月19日-28日、北海道各地、3)7月26日-28日、秋田県秋田駒ヶ岳。 2.中国科学院動物学研究所に所蔵されるヒラタハバチ類のコレクションを検した結果を発表した。このコレクションには中国産の5種が含まれ、そのうちの2種は新種、もう1種は中国から初めて記録される種であった。 3.スウェーデン自然史博物館に所蔵される標本を基に、ミャンマー産のマツヒラタハバチの1種、Acantholyda birmanicaを記載した。この種はミャンマーから記録される2種目のヒラタハバチである。 4.世界各地40ケ所の博物館、大学、個人コレクションに所蔵される5250点をこえる標本の研究を基にして、Pamphilius vafer種群のヒラタハバチの分類学的再検討を行った。その結果、旧北区西部に固有のもの3種、旧北区西部からロシア極東・朝鮮半島にまで分布するもの1種、シベリアから北海道にかけて分布するもの1種、日本列島にのみ産するもの4種(うち1種はサハリンにも分布)の計9種が確認された。このうち、東アジア産の4種を新種として記載した。これらの種の産卵場所や幼虫の造巣習性にはそれぞれ特徴があり、種の区別や、種間の系統関係の解明に役立つことが分かった。
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Research Products
(3 results)